第21話◆人魚姫(その1)

◆人魚姫(その1)


九十九里浜は、日本最大級の砂浜海岸である。


そして、ここには九十九里シーサ〇ドキャンプ場があるのだ。


せっかく行くのだから、キャンプ場の近くにある観光スポットなどをググってみる。


すると・・飯岡刑部岬展望館という“日本の朝日百選”“日本の夕陽百選”“日本夜景百選”などに選ばれている場所を発見。


いいおかけいぶみさき?  なんだろう、火曜サスペ〇ス劇場とかで犯人が追い詰められた場所とかかな・・


なんていうアホな勘違いをして、ひとり苦笑いである。


サキさんなら、「うふふ 蒼汰さんったら。 刑部は警部ではありませんよ」とか笑ってくれただろう。 ←まだ引きずっている。


(ただしくは、「いいおかぎょうぶみさき」である)



サキさんを思い出して、なんだか悲しくなったのでキャンプに出掛ける前に、汚れてきたワゴン車を洗車しに行くことにした。


今回は、クルマに積んであるバケツにカーシャンプーを入れて、洗車コースは一番安い水洗いを選ぶ。


でも、この場合は、水洗い→自分で洗剤洗い→もう一回水洗いと格安にはならない。


しかし背の高いうちのワゴン車の場合は、いまのところこの洗い方がベストなのだ。  (これでも、400円×2)


給油するときにスタンドで洗車してもらうと2000円近くは取られるので、最近はいつもこのやり方で洗っている。




洗車から帰ってくるとスマホに知らない電話番号からの着信履歴が幾つも表示されていた。


最近はワンギリなんて言葉は聞かなくなったけど、どうせ碌な電話じゃないだろう。


ブツブツいいながら履歴を即削除して、スマホも充電する。


最近のオートキャンプ場はAC電源が使えるところが多いのだが、念のために充電しておくのだ。


(だいぶ後に気が付いたのだけれど、自分のクルマにもUSB端子が付いていてびっくりした)



ちなみに今回行くキャンプ場の林間サイト、芝サイトは両方ともAC電源ありだ。


AC電源が使えるのは便利ではあるけど、最近は電気炊飯器や電子レンジを持って来るキャンパーもいるそうで、俺はなんか違うと思ってしまう。  (人それぞれですが・・・)


***




当日俺は九十九里浜へ行く途中に、銚子港に寄って新鮮な魚介類を買っていくことにした。


何と言っても銚子港は日本三大漁港の一つであり、3つの卸売市場を抱える日本屈指の水産物流通拠点だ。


それに年間水揚量では全国第1位である。  ここに美味い魚がないわけがない!


ウオッ〇21という水産物卸売センターなる施設で、たくさんあるお店を回りながら、うまそうな魚介類を見て歩く。


(魚介の「介」の字は、堅い甲羅を持つ生き物を指すそうで、貝、エビ、カニなどがそれに該当するらしい)



もう、我を忘れてガンガン鬼のように買う。


カニ、エビ、ホタテ、ハマグリ、牡蠣、イカ・・・  アワビは高いのでパス・・・


ついでに銚子は醤油の産地なので、地元の醤油も買った。  もう頭の中で醤油の焦げる匂いがしてくる。


と思ったら、売店でサザエとハマグリを焼いていた。  我慢できずに、ひとつずつ買って食べる。


うまい!!  



あまり長いは出来ないので魚介が入った袋を幾つも下げ、汗をかきながらクルマに戻る。


今回はクーラーボックスの保冷剤は持って来ていなかったので、卸売りセンターで氷をもらい、買った魚介類と一緒に入れた。


さあ、いよいよキャンプ場に向けて出発だ!



第22話「人魚姫(その2)」に続く

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る