第2話 「助けてください」と言おう(恥ずかしながら)

 この「助けてください」に深い意味はない。


 今すぐ長期連載作品をフォローし、星を入れ、レビューを書き、感想をこまめに交えつつ、僕をよいしょしてくれ。ということではない。

 カクヨムコン2の時に、よろしければ星を入れてくださいと近況で言ったら、そこにクレームを入れられ、運営に大丈夫でしょうかと問い合わせたり、クレームを入れた読者とやりとりしたり、あげく感想機能を閉じてやったらと言われたのでもう懲りているのだ。


「あんなみじめったらしく、そして心底傷つく経験はこりごりである」


 その後、そのクレームを入れた読者は、二度と僕の作品を読まなかったので、結果としてこれはクレームとなる。三年の月日が経過した今、あの一連の出来事は性質の悪いクレーマーに絡まれただけなのだなと思っている。

 営業において大切なのは、「クレーム客(困っているお客様)」と「クレーマー(文句言いたいだけの奴)」を適切に見分けることである。「クレーム客(困っているお客様)」に対して、誠実に対応してよりよいサービスを提供するのはセールスの基本であり、これを怠ってはならないのは営業マンだろうと開発者だろうと作業員だろうと自明の理だ。

 そこは僕も分かっているので、「クレーム客」の声には真摯に応えていきたい。


 いや、離脱率「99%」の作品なら、もうなに言っても「クレーマー」だろ!!


「せちがらいのじゃー(平成の表現)」


 話が逸れた。


 「助けてください」についての話だ。


 まず、不良債権健全化をするにあたり、最初にするべきアクションを僕は考えた。

 なにから入ればいいのか、それから既に分からない。けれども、やると決めたからには何かをやらなければならない。


 とりあえず、一日目は「あたりまえだけどなかなかできない 集客のルール(岡本士郎先生著)」を読んだ。読んだが、これは本当に営業職じゃないと厳しい内容が多かった。金や実店舗、フェイストゥフェイスでやりとりできるお客がいないと実践できないTIPSが多いなと感じた。

 それでも一割くらいは使えるだろうという気はする。後々、この辺りは取り組んでいきたい。


 つまるところ、しょっぱなから僕はとるべきアクションが分かっていない。


 なにすりゃいいのかさっぱり分からんちなのである。


 セガールだったらここで黙ってアクションを繰り出すのだろうけど僕は残念ながらセガールじゃない。シュワちゃんでもない。スライ(スタローン)でもない。ブルース・ウィリスでもない。


 ジョニー・デップだと言えるだけのしゃれっ気もない。

 ただのおっさん三十四歳(工場勤務)である。


 もちろん自分で何をしなくちゃいけないのか、考えていくのは大切なことだ。

 だが、何も全部自分一人で解決しなくてはいけないことはない。


 つまるところ、よく会社で新入社員が先輩に言われる台詞である。


「なんで相談しなかったんだ!!(怒怒怒怒)」


 何かをなそうとする時に、自分だけで何かをしようとするのはよくない。


 三人寄れば文殊の知恵。

 それよりなにより岡目八目。

 他人の方が自分のことをよく見えるのが現実である。

 広く意見を求めること、できないならできる誰かに助けを求めるこそ、仕事を解決するための一番の特効薬だ。


 一人で仕事を抱え込むからドツボにはまるのだ。


 なので素直に助けを求める。

 まずはそれが第一に僕が取らなくてはいけないアクションだと感じた。


 冒頭を補足しようと思う。


「助けてください。何かこういうアクションをしてみてはどうでしょうかという、アドバイスを僕にください。もし可能であれば、コンテスト期間中に取り組んでみようと思います」


 ただでさえ、僕はこの手のことを相談することができる友人が現実世界におらず難儀しているような男なのだ。そして、現実世界の友人関係と言うのは、割と仮想世界では断絶しているもの(フェイスブックとかインスタやってりゃ違うのかも)なので、こういう相談をしにくいのだ。


 それでなくっても師走である。

 みんな忙しい。


 なので、ネットで助けを求める。

 ここはカクヨム、Yahoo!知恵袋じゃないのよ。

 けれども知ったこっちゃない。


「助けてください」


 僕はとりあえず、自己救済を人にアピールするところから始めてみることにする。


 さて。

 ここで賢明な読者の方はお気づきだろう。


「いや、助けてくれと言われても、お前はいったい何を目的として、どういうことをしたいと思っているのか。目的や要件が分かっていないのに、解決策なんて提示できるはずがない」


 仕事的発想。(悪魔的発想の発音)

 まず、目的がはっきりしていないことには何も言えない。


 僕はね、今、居酒屋でぐだまいて、なんとかしてくださいよせんぱーいと泣き上戸に入っている訳ではないのだ。どちらかというと、読者と小会議室に入ってテーブル付き合わせて、プロジェクターに資料を映しながら、どうっすかねと尋ねているような状況なのだ。


 いや、居酒屋でグダをまいていると、エリート小説家がやってきて、「お悩みのようだねレディ。少し作品を読ませていただいたけれどこれじゃダメだ。君の小説にはこれが足りない」と、突然コンビニで売られていそうな啓蒙マンガのような話がはじまったりするかもしれない。


 だが、残念ながらその手の主人公は女の子。

 ワイは男の子やっちゅうねん。


 ほんでもって言わせてもらう。


「いや、お前、俺は下手くそで結果出してないけど10年選手やど。敬語話せや馬鹿たれが。ほぼ読まれないネット小説を10年もシコシコ書き続けられるんか。執筆時間と量だけなら、そこいらの小説家よりよっぽど書いとるわボケ」


 肥大した自意識である。

 面倒くさいやーつーだ。

 ちなみに厳密にいうと、十四の頃から小説自体は書いているので二十年選手である。それで結果出せないのだから、才能がないのは明らかである。


 いや、今気づいた。

 僕、三十三歳だわ。(自分の年齢も分からなくなる年齢)

 なので四捨五入して二十年選手である。

 いや、だいたいネットで書いてる人たちは、それくらいやってるだろ。


 なんにしても。


 とっとと帰れよマウントとり太郎。(ヘケェ)


 である。


 僕は結構失礼だなまいきだと言われるが、たいがい自分のことを棚に上げて失礼かます親切糞野郎との遭遇率が多いので、あえて書いた。そして、自分も親切糞野郎ムーブをかましたことがあるので(浜さんとか、天麻さんとか)、あんま言えんなという気もした。


「すまんみんな(情緒不安定か)」


 まぁ、他にも理由がある。

 成功した奴のほぼ90%は『運が良い奴』だからだ。


 その『運が良い奴』の『レアケース』を僕が引き当てられる可能性は極めて低い。その『レアケース』を一発引いた実績を基に、彼らは『俺は作家』と生き延びていくのだろうが、そんな奴らのアドバイスなど耳のクソにもなりやしない。

 彼らの成功体験は、万物共通の成功体験ではない。僕にとって適用されるものではないし、そもそも、人間としてまっとうにこの三十年生きてこられず、ついぞ明日は無職か犯罪者かと落ちぶれているイレギュラーの僕には当てはまらないだろう。


 とにかく数を書くことと言うなら、まず、不良債権の状況を見てくれ。

 カクヨムの小説の中でもトップクラスの文字数を誇ってもこの状況だ。


 マーフィーの法則である。

 ほぼ、成功者が語るメソッドは、もっともらしいジョークみたいなもんだ。


 それはともかく、上から目線のアドバイスを僕は求めていない。

 どちらかと言えば。


「君の作品でこれを試したい」


「こういうことにチャレンジしてみてはどうだろうか」


「一般的だがこういう手がある」


 という、同じ目線でのアドバイスが欲しい。


 話は逸れたが、説明しなくてはいけないことではある。

 これから剣道の試合をするのに、いきなり柔道の技をかけられたら大惨事。いくら柔術と剣術が同源とはいえ、今は昔なのだ。無刀取りできる達人じゃ僕はありません。なので、認識をすり合わせておく必要がある。


 そう。

 くれぐれも、「描写力に難がありますねぇ。もっと、誰が何をしたとか書いた方がいいんじゃないですか」とか、言わないように。僕はいい加減、このあきらかに作品を一話どころか一話も途中しか読んでいないアドバイスにキレそうです。


「いや、キレています」


 ここで僕からのTIPSを一つ。


 WEB小説の一話から十話前後の話は、あえて内容を薄く(会話多めの文字数少な目)するといいです。離脱率を下げ、序盤を読み進めるフックとして機能します。

 また、「天才の俺様が最高の小説だ読め!!」感を薄め「とりあえず書いてみたんだけれどどうかな?」感が出せます。つまるところ、リアルタイム感です。

 人気が出れば御の字。この作品は「読者が求めてここまで続いている」という印象を強く出せます。むしろそこから、「長期連載に自然にシフト」するところこそ、我々の物書きとしての腕の見せ所でしょう。

 固定の読者を持たず、ロケットスタートをキメることができない弱小書き手の戦略の一つとしてこれは使えるものです。また、ともするとWEB発の書籍化作家の方にも心当たりがあるものかと思われます。

 よろしくご査収ください。


 話が随分と逸れましたね。


 なんの話でしたっけ。


 そう、目的です。

 そこをはっきりとさせましょう。

 しかも具体的かつ状況把握が可能なものを。


【目的】

 ・書籍化

 ・カクヨムコン上位通過(☆100を上乗せする)

 ・PV数をそれぞれ10万増やす

 ・最新話のPVが更新初日100以上になる


 ちょっと厳しめです。


 けど、できてもできなくても、僕の人生が劇的に変わるものではありません。

 所詮、うまくいっても書籍化するだけですし、失敗してもみじめなkatternのままですから、そこは大きく目標を建てましょう。こういう時、びびって大きいことを言えない奴は、そもそもこの界隈は向いていません。


 つうか、カクヨムコン上位通過(☆100)とか言ってる時点で結構みみっちいです。☆1000くらい稼ぐ勢いがないと、上位通過は難しいでしょう。


 おかわいいこと。(なにかぐや感)


 そして、上に書いたように僕は非常に厄介な性格をしておりますので、目的達成のために以下の制限を設けます。


【制限】

・RTした方の作品を読む系は利用しない

・相互評価グループなどに参加しない(相互評価しない訳ではない)

・星爆を行わない(ちゃんと読んで星を贈ること)

・複垢やその手のサービスを利用しない(あるのか知らんが)

・友達に「読んでくれぇええええ!!」しない(そもそも友達がいない)

・内容改変については最小限に留める(既存読者への配慮)

・評価誘発の記述はしない(あくまで作品の構成で勝負する)

・なろうなどへの転載はしない(完結意思のない宣伝目的での一部転載は違反)


「……(絶句)」


 これ、なんもできないんじゃねえ?


 もう一度言います。


「助けてください(切実)」

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