底辺物書きのワイが挙動の渋い長期連載作品をどうにかこうにか回るようにしようかと思ってマネジメントするカクヨムコン5参加録
kattern
第一章 ぐだぐだ立志編~煩悩寺の変~
第1話 たぶん「うんこ」ではない
〇「どエルフさん」
【ジャンル】 異世界ファンタジー
【参加部門】 異世界ファンタジー
【PV数】 139,882 【評価】 187 【フォロー】 577
【一話PV】 5249 【最新話PV】 5 【離脱率】 99.904%
【話数】 668話 【文字数】 1,563,699 文字
【連載開始】 2016年11月11日 00:49
〇「でていけあんたは九尾さん」
【ジャンル】 ラブコメ⇒現代ドラマへ移行
【参加部門】 キャラクター文芸
【PV数】 70,819 【評価】 171 【フォロー】 316
【一話PV】 2,372 【最新話PV】 1 【離脱率】 99.632%
【話数】 634話 【文字数】 1,186,145 文字
【連載開始】 2016年9月16日 01:40
「あかんやん」
現在絶賛連載中の二作品の情報を整理しつつ僕は頭を抱えた。
いや、寝っ転がってるけど、頭を抱えた。
思った以上に酷い。
あかんやんである。
なにがあかんて、もう、なにもかもがあかんである。
確実にできる物書きなら損切り案件。そも、カクヨムコン2の時点で、選考落ち喰らっているので、二年前の段階で撤退戦に入らなくてはいけない小説だ。
不良債権。こいつが事業なら、国が財政健全化に乗り出してもいい、そんなWEB小説を、僕は自転車操業でだましだましここ三年ほどやって来た訳である。
「あかんやん」
もうそれしか言えない。
全否定マシーン「あかんやん」太郎と化した僕は頭を抱えた。
三年、いろいろなことがあった。
ネット上の知人が次々と書籍化。
公募に挑戦するも一次通過は一つだけ。
文章力D判定という屈辱。
奇襲を仕掛けたタイトル斬りコンは編集者完全スルー。
再就職に伴い執筆時間の確保がシビアに。
来ない書籍化打診のご連絡。
疎遠になるTwitterのモノ書きアカウント。
公式ピックアップにもかすりやしない。
そして手に切子を受けて小説家を断念――はしていない。
「あかんやん」
振り返ってみると、僕の人生あかんやんである。いや、三年より前もあかんやんなのだが、もう、あかんやんである。このまま、なんか事件を起こすか、突然死するか、そんな感じの未来しか見えてこない。
三十四歳。工場勤務。
SEを志し、学生時代からIPA試験に臨みソフ開取得、高専プロコンに二度出場するも敢闘賞すれすれ。プレゼン力のなさと、典型的なコミュ力不足により、会社でも孤立して自主退社。退職に前後して発症した適応障害と、未だに付き合って投薬治療中。友達は少なく、指で数えられるほど(二進数表記)。
恋人なんている訳がない。
そしてお金もないから縁談話も気軽にできない。
転職エージェントからもお断りされる無能。
家族はヤンキー家族バリの四人兄弟。しかし、全員ほぼ無職。(うち一名大学生)
親もほぼ無職。不安定な自営業である。そんでも、無職全員を食わしているんだから、父には頭が上がらない。
年金を貰っている痴呆症の祖母が、家を支えている事実がいっとう情けない。
底辺オブ底辺。
そしてたぶんこれからもどんどんずぶずぶに落ちていく。
悪いことを考え出したらキリがないのだけれど、そういう性分なのであるから仕方ない。仕方ないって言い過ぎだけど仕方ない。
そう、僕の基本は否定形でできている。
とまぁ、そんなことを嘆くために、僕はこのエッセイ日記を書き始めた訳でもないし、いまさらあがきはじめた訳でもない。
そう。
みじめな現実世界と仮想世界とは、切り離して生きたいのだ。
現実がみじめなのはどうしようもない。
けど、仮想世界ではせめて満足できるように生きたい。
一応これでもIT革命の寵児である。インターネットに夢を見た子供である。まだ、心の中で、ネットの中なら憐れな自分を受け入れてもらえる何かがあると、そう信じている部分があった。
かれこれ十五年、歯牙にもかけられていないけれど。
「……なんとかこれ、優良債権化できへんかな」
時は「2019年12月01 2:16」のことである。
カクヨムコン5に上記作品をエントリーしたものの、いつものようにだらだらとやるのはなんか違うなと思い至り、出すからには何かしらのアプローチをしてみようと僕は考えた。いや、ぶっちゃけ、初期のランダム表示による新規ユーザーとの接触機会を狙って、エントリーだけしてみたのだが、それならそれでいっちょ本気でマネジメント・集客をやって、こいつらをワンステップ作品としてよくすることはできないにしても、上のステージに持っていけないものかと、そんなことを思い至った。
公募原稿もやらなくちゃいけないというのに。
完全に現実逃避である。
しかしながら、ただ黙々と書くことばかりを、ここ数年続けてきた僕である。そろそろやり方を変えるべきではないかと、そんなことを思うのだ。
実は「あかんやん」といいつつ、本気で「あかんやん」とは言えていない。
最新話PVが1あるのだ。
誰かが今も読んでくれている。
誰かが今も応援してくれている。
この小説を読んでくれている人はこの世界にいる。
ボットかもしれない。一見さんかもしれない。仔細は分からなくて構わない。PVが動く限り、こいつらは完全にウンコの「あかんやん」な小説ではない。
三年間もPVは途絶えることなく動き続けたのだ。
誰かが僕を支えてくれている。
きっと、多くの人が「うんこ」と言う作品を、ありがたく思ってくれている人が居る。そういう人たちに応えるために、僕はしっかりしなくちゃいけない。そしてそういう人たちがいるからこそ、僕の書いたこれは「うんこ」じゃないと信じられる。
どうしてただの「うんこ」が三年間も見ず知らずの人たちに読まれ続けるんだ。
多くの人たちが去って行って、それでもまだ励ましてくれる人が残るのだ。
作者と読者の繋がりが大切だとカクヨム運営はよく言うが、これもまた、規模が小さいがまさしくそれだ。商業的には意味もなく、作品的にも価値はないかもしれないが、僕個人にとっては人間としての軸に関わる重大な事実だ。
たった数人の読者に僕は救われている。
僕の小説が、読み続けられる内容のものなのだと、救われている。
ならばもう、内容については考えない。
ともかく、全力でこいつらをマネジメントしてみよう。
こいつらをなんとかして、もっと輝かせてやろう。
僕はそんなことを思った。
ただ、やり方は分からない。
だってオラ、底辺書き手だから。
という訳で、これからカクヨムコン開催期間中、試行錯誤をしてみることにした。どうすれば、もはや終わっている僕の作品を、再生できるのか。
結果もやり方も分からない。
けどまぁ、もし何か成果が出れば、みんなも真似してくれ。
誰だって、ジャイアントキリングかましたいだろう。
一度くらい、トップページの一位にでかでかと自分の名前を載せてみたいさ。
いやまぁ、載せたことはあるにはあるけれどさ。
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