初っぱなから「赤ずきん」呼ばわりされる主人公。短編には引きの強さが問われますが、序盤でいいつかみだなあと思いました(ちなみに赤ずきんに「メイジー」とちゃんと名前がある版もあるそうです)。そしてその名前すら脱ぎ捨てる胆力。さすが主人公。
そして強すぎるお母様とおばあさま。おばあさま当分死にそうにないから、もう日を改めて、お母様が行った方がいいんじゃないすか……森のオオカミ殲滅できそうっすよ……いえ、それは言ってはいけないか(笑)
さて、ずきんがなくなりアイデンティティをなくしても、持ち前の明るさは失わない主人公。詳しくは書けませんがぐいぐい行きます。行動力が素晴らしい。首輪と「返事は望んでないので」が安定の帝王クオリティ。絶対に下克上が起こらなさそうな関係を築けそうです。
さて、この二人は……「いつまでも幸せに過ごしました」とはならなそうですが、「ある時悪い王様が森に攻めてきました」という振りで始まる物語があったら、ものすごく生き生きと動いてくれそうです。私の好みだけで、そういう童話は全然ないんですけどね。その時はおばあさまも参戦でお願いします。
妄想広がる、素敵な作品をありがとうございました。