後日談
とある舞踏会にて。
「そう言えばピーマン殿下とカラシナ嬢の結婚式、 行きました?」
若き令嬢が話題を他の令嬢に振る。
「いえ、 私は行っていませんね」
「私も行っておりませんわ」
「私もです、 ミンチ侯爵令嬢と婚約破棄して男爵令嬢と結婚だなんて
殿下は一体何を考えていらっしゃるのですかね・・・」
「カラシナ嬢とは学友でしたが平民だからか変な方でしたね
殿下が決めたと言うよりは略奪婚ですよ、 あれは」
「・・・そのピーマン殿下ですが近々廃嫡されると言う話は御存じですか?」
「知ってます、 フィッシュ帝国との会談を全て弟のパプリカ殿下に丸投げしたのが原因だとか」
「いや、 何処かでピーマン殿下が借金を作ったそうですよ
金貨80枚も何で使ったのやら」
「ミンチ侯爵令嬢との婚約破棄の慰謝料では?」
「それは別に有るそうです、 王妃になる為の教育にかかった費用及び期間を
加味して金貨100枚以上は確実かと」
「仕立て屋にも騙されてぼったくられたとか」
「ピーマン殿下には借金が金貨300枚は下らないと言う噂が・・・」
「結婚式の費用も未払いと言う話も有りますわ」
「廃嫡なさった後にこれだけのお金をどうやって支払う気なんでしょうか?」
「皆、 注目せよ」
パプリカ王子が声を張り上げる。
「この度、 私はミンチ侯爵令嬢と婚約を結ぶ事になった!!
愚兄が国内を騒がせた分を彼女と共に支えていきたいと思う!!
皆、 祝福してくれ!!」
拍手喝采が鳴り響く。
「ミンチ侯爵令嬢、 パプリカ殿下と結婚するんですね」
令嬢の一人が耳打ちする。
「ミンチ侯爵令嬢は素晴らしい人材なのは明らかですし
パプリカ殿下も捨て置かないでしょう
でも兄上のピーマン殿下が婚約破棄してから
たった2,3ヶ月なのに随分早い話ですね」
「パプリカ殿下はピーマン殿下と違って賢明な方ですからね
機を見る眼が有りますよ」
「侯爵家と王家も関係修復ですかね」
「そうですね」
「それはそうとして侯爵家にはピーマン殿下から慰謝料は支払われるようですが」
「本当にね・・・これからピーマン殿下とカラシナ嬢は一体どうやって暮らすつもりでしょうか」
「さぁ? 少なくてもそれはピーマン殿下の責任でしょうに」
そんな事を話し合いながら舞踏会の夜は更けるのだった。
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