第30話【問題解決】

謁見の間にてナスとピーマンが対峙する。


「ピーマンよ、 お前が言っていたなんとかとか言う男爵令嬢」

「カラシナです、 父上」

「そうそう、 その娘のいじめ問題は解決した」

「では婚約破棄を認めて下さるのですね?」

「何故だ?」

「え?」

「問題は解決した、 だから婚約破棄する理由が無い」

「そんな!!」


立ち上がるピーマン。


「ついでに言うとその何とかいう男爵令嬢」

「カラシナです!!」

「そうそう、 その娘は既に男爵令嬢では無い」

「は?」

「平民に戻った」

「何ですって!?」


詰め寄ろうとするピーマン、 だが踏み止まった。


「学習したな」

「・・・・・何故平民に戻ったのですか」

「あの・・・何だったかな?」

「カラシナです!!」

「そうそう、 その娘の父親が

『婚約者が居る男にふしだらな事をした』娘に責任を取らせた

と言う事だな、 男爵も慰謝料を払ったよ」

「くっ・・・」


ピーマンは謁見の間から出ようとする。


「何処に行く?」

「カラシナを迎えに行きます!!」

「迎えた所で平民は側妃にも出来んぞ?」

「身分で差別するつもりですか!?」

「学歴が足りない、 学院を卒業していないと側妃にもなれない」

「・・・・・え? それってつまり・・・」

「学院からも退学と言う事だな」

「そんな!!」

「そう学院の生徒では無いからいじめの問題も解決したと言う事だ」


愕然とするピーマン。


「ピーマンよ、 お前が何をしたかったのかは何となく分かるが手順と常識を守れ」

「ならば良識を守って下さい!! いじめを訴えた少女を寄ってたかってッ・・・」

「貴様こそ良識を遵守しろ、 いじめたと言うのならば証拠を出せ」

「分かりました!! 証拠が有れば良いんですね!!」

「証言は証拠能力は無いぞ、 物的な証拠を出せ」

「物的証拠ですって!? いじめにそんな物有る訳無いじゃないですか!!

皆がミンチがいじめたと言っているのです!!」

「全員で共謀している可能性がある

お前とミンチ侯爵令嬢の仲を裂く為にな」

「・・・分かりました・・・分かりましたよ・・・」


ピーマンはふらふらとその場から立ち去った。

ピーマンはこのやり直しでカラシナを助ける事を諦めた

次のやり直しで決着を着ける、 そう決意してこのやり直しの人生を生き切ったのだった。


To be continued

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