第29話【ペッパー男爵の災難】

「陛下、 ピーマン殿下の検査結果ですが・・・」


側近のチリ大臣から報告を受けるナス。


「うむ、 如何だった?」

「受け答えに・・・その・・・何ですかな・・・

ラグが有ったり・・・うーん・・・そのー」

「馬鹿だから受け答えに難が有る?」

「・・・・・そうですね」


溜息を吐くナス。


「あの馬鹿が・・・」

「まぁ・・・馬鹿な所以外は普通だそうです」

「そうか・・・」


肩を落とすナス。


「馬鹿なのは知っていたがここまで馬鹿だとは・・・」

「如何します?」

「どうもこうも無い

ピーマンが言っていた男爵令嬢を親と一緒に連れてこい」

「一体如何するおつもりですか?」

「その小娘に問うのだよ」

「はぁ・・・」


数日後、 カラシナが父親のペッパー男爵と共に城にやって来た。


「国王陛下、 この度は」


ペッパー男爵が挨拶をしようとするのを制止するナス。


「貴様の挨拶など如何でもいい時間の無駄だ

お前達は私の質問に答えるだけで良い」

「は、 はい、 分かりました」

「王様、 それは幾ら何でも可笑しくないですか?」


カラシナが疑問を口にする。


「さて、 では最初の質問だが、 ペッパー男爵

貴様の娘が私の息子のピーマンに対し好意を寄せているのは確かか?」

「え?・・・えーっと・・・如何なんだカラシナ?」


カラシナの疑問を無視してペッパーに質問を投げかけ

ペッパーがカラシナに尋ねる。


「はい、 私はピーマン様を愛しています!!」

「では次の質問だが、 ペッパー男爵

貴様の娘とピーマンの関係は貴様の打算は含まれているのか?」

「ど、 どういう意味でしょうか?」

「政治的な意味合いだよ

例えばよその国と貴様が結託して

ピーマンとミンチ侯爵令嬢との婚約を破棄させて混乱を巻き起こすのが目的とか」

「なっ!? カラシナ!! お前は婚約者が居るのに横恋慕をしたのか!!」


激するペッパー。


「え、 いや・・・」

「本当に申し訳ありませんでした陛下!!」


カラシナの頭を下げさせ、 自分も頭を下げるペッパー。


「謝罪は不要だ、 で? 如何する?」

「直ぐにカラシナを元の平民に戻し放逐します!!」

「そ、 そんな!!」

「足らないな、 娘一人に責任を全て押し付けて解決する問題では無いぞ?」

「・・・・・ど、 如何しろと」


顔が青くなるペッパー。


「そうだな、 今回の騒動の対する慰謝料でも払って貰おうか」

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