第19話【え?何で距離を取られているの?】

「ミンチ様、 今お時間宜しいですか?」


昼食中にミンチに話しかけるカラシナ。


「カラシナ伯爵令嬢、 何の御用件でしょうか?」

「いえ・・・実は少しお尋ねしたい事が有りまして・・・」

「良いでしょう、 何を聞きたいのですか?」

「ロー伯爵令嬢、 ニウ侯爵令嬢」

「?」

「バラ侯爵令嬢、 ツナ子爵令嬢」

「何なんですか?」

「隣国のフュッシュ公国のおかか大公令嬢、 この五人の事を知っていますか?」

「・・・・・まぁ知らない訳じゃないですが・・・

一体如何したのですか?」

「宜しければその方々の人となりを教えて頂いても良いでしょうか?」


ミンチは少し考えて口を開いた。


「・・・ロー伯爵令嬢はこの学院にいますから省きますね」

「えぇ、 あの百合の方ですよね」

「そう言う発言は控えた方が良いですよ

ニウ侯爵令嬢も私は良く知りませんので省きます

正直何をやっているか私も良く分かりません」

「そうなのですか?」

「えぇ、 ミステリアスな方です

バラ侯爵令嬢は私の親戚で良く笑う、 笑い上戸な方です

明る過ぎると言う表現が良いでしょうか、 積極的に民に語り掛ける良い方ですよ」

「そうなのですか・・・」

「ツナ子爵令嬢は国防を担うサカナアリ家の一人娘

子爵ながらもその功績は非常に大きい家柄です

恐るべきハードスケジュールを熟しています、 しかし裏では・・・

いえ、 噂程度ですしこれは余計ですね」

「ふむふむ・・・」

「おかか大公令嬢ですが、 この国にも良くやってくる方ですが

傲慢で高飛車、 しかし散財を良くなさる方だそうですね

しかしこの五人が如何しました?」

「その前にその五人って私に似ていますか?」

「貴女に?」


少し考えこむミンチ。


「いえ、 強いて言うならバラ侯爵令嬢が貴女に近しいと言う所でしょうか」

「そうですか・・・実は・・・ピーマン様が自分のノートに

先の五人を婚約者候補と書いていたのです」

「婚約者候補?」


首を傾げるミンチ。

ミンチは知る由も無いのだが、 この五人はミンチと共に

ピーマンの婚約者候補として名が挙がっていた者である。


「何の事やらさっぱりですね」

「私・・・ピーマン様に好かれていると思っていたのですが

裏でこんな婚約者を選ぼうとしている方とはお付き合いが出来ません・・・」

「私に言われても困りますよ・・・殿下と距離を取られるのが宜しいかと」

「そうします・・・」


【浮気性を疑われEND】

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