第4話【牢屋の中】
牢屋の中に囚われるピーマン。
「兄上・・・」
牢屋の中のピーマンを見舞うピーマンの弟のパプリカ第二王子。
「パプリカか・・・」
「兄上・・・何故あんな事を? 何故父上に刃を向けたのですか」
「・・・・・」
前回、 癲狂院に入れられた事を恨み
過去に戻った時点で王に剣で殺そうと試みたピーマン。
当然、 その凶行は近衛に止められてしまった。
「恨みだよ」
「恨み? 父上に一体どんな恨みが有ると言うのですか?
父上は貴方が第一王子だからと相当優遇して来たじゃないですか
貴方の学力なら入学も危うい王立学院への入学
国一番の実力者、 ミート侯爵の一人娘、 ミンチ侯爵令嬢との婚約
数を上げればキリがない
寧ろ第二王子の私が嫉妬の余り行っても可笑しくない凶行だった筈です
おっと、 これはオフレコで」
「・・・・・ふん、 君には分かるまい」
数十年にも渡って癲狂院に閉じ込められた恨みはそう簡単には晴らせなかった。
「まぁ良いだろう、 ギロチンでも何でもするが良いさ」
ナス殺害が失敗に終わった今、 さっさと次のやり直しに向かいたいピーマン。
「・・・・・兄上、 やけに殊勝ですね、 何か企んでます?」
「た、 企んでなんかいない!!」
「・・・・・兄上、 少し失礼します」
「う、 うぅ?」
パプリカの提言によってピーマンの精密検査が行われた。
その際にやりとりに不審な点が見られ、 何者かの洗脳魔術による記憶の改竄が疑われた。
この事から何者かに何かされたと判断し、 ピーマン王子の処刑を中止。
ピーマン王子の背後関係を調べ上げ、 ピーマン王子と最近親交を持っていた
カラシナ男爵令嬢を徹底的に詰問した、 カラシナ男爵令嬢に疑惑がもたれたが
証拠不十分で起訴はされなかった、 しかし貴族社会に置いて一度疑われると言う事は致命傷に等しく
カラシナ男爵令嬢は周囲の疑惑の眼を気にして修道院に入ってしまった。
ピーマンはその後、 離宮に軟禁されて生涯を過ごす事になった。
ピーマンは自死を試みたが失敗し、 拘束されて自死が出来ない様になった。
癲狂院よりは環境の良い場所だったので病気にもならず健やかに生活し
その後100歳と言う高齢まで生き延びて天寿を全うしたのだった。
【死因:天寿を全うした】
カラシナと紅茶を飲むピーマン。
「・・・カラシナ、 俺は決めたぞ」
「何ですか殿下」
「君をちゃんと幸せにすると」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます