新庄剛志と言う男
彩華
ファンである
無性に書きたくなってしまった。
野球に詳しくなくても「新庄剛志」と言う名前を知ってる人は多いと思う。
スポーツを広く浅く観戦する程度の私でさえ知っているほどの名前である。
当時の自分は、野球にそれほど関心を持ってはいなかった(今もそれほどではない)それでもテレビに映ると見てしまっていた選手たちが三人ほど居る。
イチロー、松井秀喜、新庄剛志である。
見てしまった理由は何だったのだろうと素人目に振り返ってみる。
イチロー。
当時、振り子打法と言うのが話題になり、ただの興味本意で見ていると、ヒットになる打球がまるでゴルフのカップに落とすように綺麗で、まさに狙って打ってますと言わんばかりだった。パフォーマンスで見せる背面キャッチは、好奇心をくすぐると真似をした人も居ると思う。
「走、攻、守」を兼ね備えていると紹介される事も多く、その三拍子が魅力的だった。後々に聞かされるストイックさには有無を言わせないものがあると、自分には到底、真似出来ない凄さを見せられた気がする。
松井秀喜。
見たのはたまたまだった。当時の自分がテレビを付ける時間と巨人戦が被っていたのだ。そして、そのタイミングで必ずホームランを打つ選手だった。誰が付けたのか知らないが、ゴジラと名付けた人は見事だと思う。
大砲の如く爆発して火を吹くような選手だなと自分も思って見ていたからだ。
経歴を調べると、学生時代に全て敬遠された話があるのも納得の打撃力だった。逃げたくなる投手の気持ちもわかる気がする。それほど存在感と迫力のある選手だったと思う。
そして、最後に新庄剛志である。
私は野球は詳しくはない。しかし野球選手の中で一番詳しいのはこの選手である。ファンだからである。前に上げた二人の選手も好きなのだが違うのだ。
彼のどこが一体、魅力的なのだろうか。
よくある話は身体能力は凄い、守備は一流と言った話である。打撃となると通算で約2割5分ぐらい。成績としてはそんなに高くない部類に入るのだろう。
しかし──。
日本では2割5分ほど打つが。
メジャーでも2割5分ほど打っている。
同じくらい打てるものなのだろうか?
そうは思えない。なんだか面白い。
高年俸を蹴って「英語は覚える気がない!」とアメリカへ渡ると、一生懸命頑張ってアメリカ人に日本語を教えようとしていたと言う話もある。
英語をちゃんと勉強してた方が良かったなと考える自分が、否定されて間違ってるような気にもさせられるが笑ってしまった。
発言はブレる事もなく真面目にチャラいと、ふざけてるようで計算されている。そして前向きでどこか暖かいのだ。
他にも多くの噂話もあるのだが、全ては書けないのでこの辺にしておこうと思う。
現在、47歳で再びプロ野球を目指すと宣言した新庄剛志──。
彼の本当の魅力はどこなのだろう?
失敗しても、騙されてお金を失っても、整形して変な発言をしていても、どこかに必ずファンを楽しませようとしてる気持ちが垣間見える。
自由に振る舞っているようで、とても気遣いがある。
そんな
今回の件で客寄せパンダと言われても、その形になるなら自ら断るとした発言は、ずっと見ていた本当のファンにはわかっていたと思う。何故なら、彼は客寄せパンダになる時は、今から客寄せパンダになります! と宣言した筈だからだ。新庄剛志、彼は肝心なところはいつも直球だったように思う。
プロ野球を目指すと宣言する事は、プロでも通用する野球を目指すと言うものなのだろう。
そしてこうも思う。
その可能性を自身で1%と言ったのは、実はもう少し高いかも知れない。と、自分を信じているのではないかと。
「野球はまじバイト!」この言葉の裏に本当は何を隠しているのか、それらを推測しながら応援するのもファンの面白いところだ。
ぜひまた、手のひらをくるーっとさせて楽しませて欲しいと思う。悪い方の噂はファンとしては御免こうむりたい。野球と言う舞台に身を置いたエンターテイナーが突然動いたので、こうして自分もついつい何かを書きたくなってしまった。だが、彼ほどの挑戦をしたり人を楽しませる事も出来なければ、正直こうして書くのも面倒くさかったのである。
スターには程遠いようだ。
新庄剛志と言う男 彩華 @saikatsukasadesu
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