ガスなどの確認

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　一晩たち、朝は来た。周囲が物静かなぶんよく眠れた。目覚めは最高であった。今、新しい人生の門出を向かえた。やや肌寒く、風が立ち込めてきた。太陽はそろそろ昇ろうとしている。遠くから、ニワトリの鳴き声が響き、空気が澄んでいるせいか、電車の音も響く。カーテンを開け、寝巻きから私服に着替え、顔を洗い、体をほぐす。

　朝は必ず太郎は、この二つをやる。初めての一人暮らしに心をときめかせていた。

　滞在するのは一年。自転車を買えないので毎日、ジョギングで出勤する。

　初出勤の日。太郎はやや緊張した感じで、家を出た。ガスなどの確認を何度もしていた。泥棒なんか来ないような家だが、来てくれた時のためだ。