第2話 小説家になろう(更新中)
★前回までのあらすじ
磯野健(いそのたける)は地元で最底辺とされる生半高校(N高)の1年生。それなりにレベルの高い中学へ通っていたが、謎の確信をもって陰湿に教員を脅すなど問題行動が多く、また格闘ゲームに時間を費やした結果、受験に失敗してしまう。N高では入学早々、同じクラスの「団長」こと岸田とその取り巻きに陰湿ないじめを受けており、そのショックからほどなく「天の声」という幻聴で自らが超能力者であると錯覚するようになる。自室でハイになった健は岸田の殺害を独り誓うのだった。
――岸田を殺してやる
ボクの意志は固かったが、暗殺には準備が肝要である。
結局、昨日も学校へ行った。
一挙手一投足に岸団の視線やなじりを甘んじて受けながら、灰色の時間を過ごした。
「岸団」っていうのは奴らの呼称で、岸田団(きしだだん)というのが言いにくいから、騎士団になぞらえてそうなった……のは容易に想像できるが、交戦中のため確認は取れていない。
まあ、なにしろ今日は土曜日である。
土曜日は休まなければならない。
ボクにとって土曜日はちょっと面倒な問題がある。
外出したいのだが、駅前には近寄りづらい。
なにせボクは元々、頭は悪くないのだ。
不本意にも、運命の巡り合わせで格闘家への道を歩むことになったが、中学の同級生はみんな進学校へ合格した。
それで……彼ら彼女らは当たり前のように、土曜日も登校している。
N高では全員が全員、進学? なにそれ?おいしいの?
という感じなんで、ボクは朝から駅近い裏道のカフェに身を滑らせ、奥の席で息を潜めながらコーヒー1杯をちびちびと。
スマホゲーで昼まで時間を潰した。
それにしても、スマホゲーは罪である。
簡単な3ステップでWEB小説を投稿したらボクの現実が狂いはじめた 石田和夫 @yshio
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