あと五千字

 下男は相当疲れていたらしく、即位前の国最高の地位にある二人の許可なしに椅子はどさりと座り込んだ。

「ちょっと大丈夫? 普段体力あるくせに」

 王女が眉を下げて気遣わしげに尋ねると、下男は一応詫びを入れたが、愚痴っぽく切り出した。

「その書類を作り上げたのは良いんですけど、挟んだ中に終わってないのあるんですよ。期日早いからとか言って駆り出されてるんです」

「あぁ、これか。料理長が作るって言っている新作の……」

 パラパラと紙束をめくると、数枚大きさの違う紙が挟まっていた。年始の祝賀の時に城内だけでなく、城下にも振る舞ってその味の是非を問う、もし好評なら常の献立に入れ、城下の教育施設にも普及する、というものだ。

「広く知らせるものだからって力入れてるらしいんですけど、まだ完成してないんです。期日まで少しなのに。しかも材料腐るからって急いでるらしくて」

「それで貴方が下拵えとかを?」

「いや、ほぼ全工程ですって。手が空いてるの俺しかいないって。もう手の皮がヒビ入りそう」

 話を聞きながら、カエルムは手を動かし、一枚一枚に署名やら注意書きやらを入れていった。そしてふと気づく。


「料理を作るのは良いとして、初めて作るものだろう。もし作り上げて料理長が味に納得しなかったら?」

「改良だそうです」

 つまりはレシピを部分的に変えて作り直すというわけだ。


「良いものを作ってほしいが、材料と時間の無駄は避けるよういうかな」

「多分、料理長なら大丈夫と信じられるけど、食へのこだわりは強いわね」


 ***


 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

『天空の標』、下書きで95000字。ラスト完走まで後少しです。旅に出ている移動時間のおかげでかなり進みましたが、ここからが勝負。


 姉妹編の筋と合うように作っているので、その整合性とこちらの作品で伝えたいこととの擦り合わせに苦労しています。

 ただ、姉妹編はもう完成作で動かせませんし、動かす気もありません。天空の方で全ての謎が明かされるとも限りません。


 もちろん納得のいくラストを目指して筋を考えてありますが、その描き方が難しい。もしかしたら、こちらが初読の方は、納得できない、とか物足りなくなるラストかも分かりません。ええ、あれはどうなったの? となるかもしれません。(姉妹編の問題の方)

 それはこれまでもすごく不安に思いながら書いています。


 ただし、まずは完走を目指します。当然ながら。可能な限り良い状態で更新したい、が目標なのですが、アップ後に修正の可能性大有りです、やる前から言っていて不甲斐ない。元旦の更新は焦りすぎたのか誤字脱字酷く、申し訳ないです。


 コンテスト終了までカウントダウンなので、一月忙しくなる前に完結目標で、書き進めています。

 カウントするとおそらくあと5話くらい。


 戦闘シーンが割合を増していて、執筆辛い状況ですが、追って読んでくださる方がいらっしゃるのに励まされると同時に書ききらなきゃと思っています。

 頑張ります。


 年賀状はこちらに。皆様のご多幸をお祈り申し上げます。

 https://twitter.com/mican15sakura/status/1212540634726195208?s=21

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