朝読小説賞の存在とシステムを知る
いくつか書物の特徴を挙げあい、それらをカエルムが資料を整理する傍に置いていた帳面に記すと、三人にも少しばかり気持ちの余裕が生まれた。頭の中のことを目に見える形で外に出すというのは、理性で思う以上に安堵するものらしい。
安心して力が抜けたのか、姫が手近な椅子に身を任せる。勢い余って腰が軽く弾み、椅子のばねが小さく音を立てた。
「参っちゃうわね。この間の騒動が終わったと思ったのにまたこんなこと」
声と顔こそ笑ってはいるが、瞳の困惑は隠せない。カエルムはロスにも座するよう促してから、自分も先ほどまで座っていた卓の前に腰を下ろした。
「同感だな。休まる間が無い。まあ、王族にそうそう休みがあるはずもないが」
卓に肘をついてその上に頭を預ける。
「ところで」
疲れた顔の二人を前に、カエルムは先から話している間に頭に浮かんだ考えを口に出した。
「我々には見たことも聞いたこともない類の書物だが、父上に長年侍していた者も多い。もしかしたら、過去の例を知っている者が年配の官吏の中にいるかもしれない」
姫が髪の毛を指に巻きつけながら、考え考え同意する。
「んー……おっしゃる通りかも。私が自分で経験しているのなんてたかだか十八年だし。お兄様の年齢も……」
こちらの方に目を向けられ、カエルムは頷くが……言葉が続かない。
「お兄様?」
姫が怪訝な顔をするのに、ロスも同調する。
「殿下、ご自身のお歳くらい覚えて……ますよね……?」
しばし、沈黙が部屋を支配した。
「少なくとも、ロスの方が年上だな」
「知ってます、そんなことは」
***
今日は冷えますね。あったかいお風呂が気持ちいい〜。こんな夜になったので、せめてこちらの更新はがんばってみたいところです。
朝読小説賞の応募要項、ようやく読みました。読者選考がないというのをちらりとききまして、興味はあったのです。読者選考の基準もよく分からないので。
そうしたらタグをつけるほか、主人公の年齢とキャッチを書かなきゃいけないとか。
主人公兄王子のカエルム、いくつよ……。
姫は決めてあったんです。ただ彼は、二十代半ばとしか。初めは良かったんですけど、書いているうちに落ち着きがありすぎて、三十路過ぎてなきゃ無理でしょうという気持ちもしてきました。
ただし昔の人は成人も早いし、二十代でもいいかとは思うのですけれど。
朝読小説賞のタグで検索していくつかの作品をチェックしたところ、十代の主人公が多いみたいですね。
そんな曖昧状況なので、私はまだ、朝読小説に入れるかは決めてません。
あ、カエルム、本編はこんなにボケてませんよ!
本編も読んでいただけたら、嬉しいとアピールしておきます(笑)
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