プロット???? 他薦も。

 さらに頁をめくっていった姫は、あるところで手を止めた。表情は固まり、大きな眼はおぞましいものを見るように歪められている。

 それは、文字が自動で増え続けている箇所だった。しかし先ほどカエルムとロスが見ていたところとは違う。数枚先に行ったところだ。書物全体の半分ほどまできている。


「どういう……ことなの、これ……は?」


 姫の口から出る言葉は途切れ途切れで、疑問形をとっていながら誰に問うでもない、驚愕から発せられたものだ。

 カエルムは姫の手から書物をそっと取り上げ、慎重に卓の上に置いた。依然として動き続ける文字の後に、いくらか固まった段落が有るのは先ほどと変わらない。ただ、後方に位置するその段落の前に、走り書きされた文が一、二行加わっている。


 三人は、固唾を飲んで文字の動きを見守る。すると、動いていた文字が読点を打ち、その先が一行空いた。


「さっきからこの調子だ。私たちがテハイザに行った時に起きた一部始終が記されている。自動で。しかも、私しか経験していないことだけではなく、ロスしか知らないことも、だ」

「今は、到着してから二日目? でもその先も書いてあるのね……」


 カエルムは改めて書物を検分した。ロスも二人が並んだ卓の脇へ回ってその奇妙な物体を覗き込む。試みに書の向きを裏返し、最後の頁を開いてみると、そこには既に何かが記してあった。あまり整理された書き方ではなかったが。


「どうなってるの……?」

 怪訝そうに姫が兄王子を見上げる。妹を怖がらせたくないのは山々だが、カエルムの知識にはない出来事だ。少し首を傾げて肩を竦める。

「ここのところの経験から、何が起きても不思議ではない、と思っていたはずではあるのだが。実際に起こってみると驚くものだな」

 やはり——もはやいつものことなのだが——あまり驚いている様子がない主人に、もう少し慌てて欲しかった、と喉元まで出かけた言葉を、ロスは無駄だと気づいて飲み込んだ。


 ***


 こんばんは。昨晩、読点を打って一話分アップしました。大体五万字に近づきました。本当に終わるかな?

 前回のところで、体験記の前半が要ると言っていただいたので頑張ります。練習、練習。


 今回はプロットのお話。前回のコメントでも少し、ご意見いただきましたのですが。

 プロット、どこまで決めますか? 紙に書きますか? というトピックです。


 私は、というと。大体〜ですが。


 物語を思いつくとき、ことのはじめと、結末は決まっています。それで主要な登場人物が浮かんできて、世界観がこんな感じかな、と思って。


 書き始めます。ここまでのところでは媒体はなんであれ、あまり書き留めたりしません。あってもメモ程度。


 この状態で話を書き始めます。

 それで、数話書けたらアップを始め、書きながら更新しています。すいません。

 書いている間に、ああしよう、こうしようと思いついて、登場人物が増えたり、脇役や本当に一話だけの登場、の人が重要人物になったりします。


 個人的に、伏線を張り巡らしているお話が昔から好きで、自分もそんなのを書きたいな、という理想があります。

 ですから、書いている途中で初めに考えていたなとは別の伏線を思いついて増やしていきます。


 その間、やっぱり書き留めないのですが(ズボラなんです)このこと忘れそう、とか忘れちゃ駄目、この表現思いついた、そんなことたちをメモ書きで次章の前だったり、ファイルの一番後ろだったりに書いていきます。

 この辺りの書き留め方がズボラです。メモも紙に書いたりりんごスマフォに書いたりパソコンに書いたり散在しています。大雑把な性格です。


 前回にあげたところは、すでに先を書いた後で、更新前にある程度書き足しました。そしてゴー! と。


 しっかりプロットを立てても変わることはあると思うのですが、どうもそういう計画的にやって、計画的に投稿! ができてません。出来る方が、本当に凄い。尊敬します。


 ***


 今日は溜まっていたものをヨムヨム消化しました。良かった。というのもちょっと体調が良くなくて。仕事はもちろんありましたが、少しゆっくりめ時間を多くしました。


 カクヨムコンのコンテスト以外のものは他でご紹介するとして、初めて読み終わりましたコンテスト短編。いつもエッセイで私の笑いをついてくる、センス抜群の文を書く作者さまです。


 宇部松清様

 短編「夫婦そろってトラックに轢かれたけど、俺の愛妻が見当たらない」

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054891871337


 あまりレビュー文、うまく書けないながら書いちゃうんですよね。

 とてもテンポが良くて読みやすく、予想できた! と思ったら意外なラストに感動しました。

 ぜひ。短篇賞応募作では初めて読了の作品ですが、即座に星三つです。


 自分の短編は旧作を放り込みました。

『一夜のキリトリセン』

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054890928789

 前のコンテスト短編に出した『星流夜』シリーズです。

 早速、レビューありがとうございます。


 もう一つ、うずうず恋愛もの短編書きたいかも、と。匠響子で。ショコラですねショコラ! 書くとしたら、どんなお菓子にしようかな。


 他の作品もどんどん読んでいきたいのですが、コンテスト以前の作品たちに積読がたくさん。

 おまけに今日、ぼんっと新しい業務が……読めるかどうか……申し訳ない。


 ではでは、お風邪にお気をつけて!

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