登場人物は初めから決定?
確認した書類に、カエルムは羽根ペンで許可の旨と署名を記入した。その間に姫はロスの片手にある妙な書物に気が付いた。
「それは?」
書からぴろんと出た細紙は、見間違いでなければ先よりも書き込まれた行が増え、今もなお増え続けている。ざっと見積もっても悠に二千は超えていそうだ。
「え……何これ……」
紅葉と同じ、姫の橙色の瞳に恐れが浮かぶ。
「不気味でしょう。この間僕らが行った、テハイザ訪問の件が綴られているみたいなのですが」
姫は驚きと不安の混じり合った目で兄の方をちらと見た。カエルムも頷く。ロスに書を持ってもらったまま、姫は書物の中身を、——粗くではあるか——読み出した。「物語調ね」「城の様子とか、向こうの人のこと……?」など、途切れ途切れ感想をこぼしながら読み進める姫が突然、大きな声を出す。
「やだ、これお兄様は良いとして、殿方ばっかりね! むさくるしい!」
「姫様、あんまりでは……意気消沈の
まともな第一声がそんななものだから、ロスも思わず抗議する。むさくるしいと言われてはやはりいい気はしない。
「でも本当にそうなんだもの。
「女の子もいるでしょう。報告書に書く対象じゃなかったですけどね」
ロスも頁をめくり、ほらここ、と本文を指し示す。その様子を見ながらカエルムは静かに諭した。
「二人とも、意気消沈していると思うなら彼も、名前で呼んでやるくらいしたらどうだ」
帰ってきたのは異口同音の答えである。
「「でも初めて会った時は名前も知らなかったし」」
今度ばかりは、ため息をつくのはロスではなくカエルムの方だった。
「彼は驚くほど働いているんだがな……」
***
こんばんは。突然ですが、皆さんはプロットをかっちり立てますか? 登場人物は初めからすべて確定していますか?
プロットの細かい話は次回として、登場人物について。
私の場合プロットは大枠を立てて書き始めるので、当初予定になかったことがいろいろ起こります。登場人物も然り。
姫が主役の姉妹編の方では、第一章にちょっと姫と会話をするだけのはずの青年が、当初ぼんやり予定していた人物に代わりレギュラー出演となり。ですから初めは名前すらありませんでした。大出世です。
(なぜ彼が意気消沈かは、詳しくは本編で)
そんな具合で増えていく登場人物。『天空〜』も書き出して気がついたら男性ばかり。なので女の子を途中で足しました。
メリットもあるかと。後者で足した女の子は、読者さまの反応がよくて。彼女を出すと和むこともあり、ちょくちょく出すようにしてみました。
読み手さまの反応次第で柔軟に変えられるのはいいかもしれません。書きながらアップの方々はどうでしょうか。
ここまでありがとうございます。本編も空き時間に書いてますよ! 移動が終わったのでまた♪
っていうか、この体験記は前半、いるのか? 無駄? 余計ですか? おろおろ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます