体験記の効果? レビュー! 名前のこと

 入り口から顔を覗かせたのは、シレア国第二子第一王女、つまりカエルムの妹だった。軽くて柔らかそうな毛の上着を羽織り、手には網かごを持っている。

「あ、姫様、また城下まで勝手に行ったでしょう!」

 目ざとく姫の手荷物を見つけて、ロスが咎めた。

「あ、これね。新しい編み方を考えたって職人のおじさんが。丈夫なんですって」

「何処の工房のだ? 物が良ければ今度、交易品に推薦してもいいかもしれない」

「ちょっと殿下、そうじゃなくて姫様に何とか言ってください」

 全く無視されたロスは堪らず主人を叱り付ける。

「いいじゃないの、私が国の良い物見つけられたんだし」

「いいじゃないか、姫が国の良い物見つけたんだし」

 口を揃えて同時に言われ、ロスは眉間に手を当てて大仰に溜息をついた。そして、主人の言にふと思い出す。

「そういえば殿下、テハイザ滞在中ってずっと姫様のことを『妹』と仰ってましたね。向こうに対して何か考えとかそういう……?」

 しかし、カエルムはあっさり否定する。

「いや、特に何も。何となく……?」

「ああ、そうですか……」


 何のことやらと姫は二人を眺めていたが、特に会話が続きそうもないので籠から丸めた書を取り出した。細い糸で閉じられたそれには、船の印章がある。

「これ、さっき鳩が届けたみたい。印が単なる近況報告だったので読みました」

「そうか、先方は何と?」

 兄に聞かれ、姫はくすぐったそうに破顔した。

「なんでも、各国からテハイザへの訪問客が増えてるんですって」

 その報告を聞いて、カエルムの瞳も安堵と慶の色が浮かぶ。

「それは随分と喜ばしいな。ここで噂をしているからか……他にも我が国との関係も含めて、良い評判が立ったかな?」


 ***


 こんばんは。この体験記、企画に参加してみようかな、と書き始めたら面白くなって来てしまいました(自己満足)。こんなので良いのかな? 体験記。


 先に書きました一つ目です。

 敢えて、カクヨムコン作品では姉妹作の主人公の姫の名前を出していません。もしかしてひょっとすると疑問に思われるかもです。

 理由があります。

 姉妹作の方で、主人公二人の関係や位置について、私が考えている意味ですとか、物語全体のテーマ(必ずしも明示していません。汲み取っていただけたら良いな、と思って)を二人の名前に象徴させた……つもりです。ですから、物語が進んでからとあるタイミングで出てきます。


 そのようなわけで、『天空』では兄に口をつぐんでいただきます。


 そして、本日は『天空』のPVが大変伸びました。

 まずはこの体験記、こんなふざけた内容ながら皆様に読んでいただき、それと平行して伸びています。ですから、もしかして体験記の効果なのかも。これを読んで本編を見てくださった方、ありがとうございます。


 もし予想が当たっているなら、カクヨムコン参加者の方は、書いてみるともしかしたら効果アリかもしれません。

 私も企画設立に感謝致します。


 そしてもう一つは、坂井令和さまからレビュー頂きました。コンテスト開始後というタイミングも考慮いただいたとのことで、本当にありがとうございます。これも閲覧率が増えた理由と思います。レビュー、それを抜きにしてもとても嬉しいですので、二重に感謝いたします。


 坂井様のカクヨムコン作品も、発想の非凡さに驚きます! 既にお星様が74!! ミステリーですが、可愛く笑いもくれます。私も3話目を読みにいかなきゃ。

『蝉時雨は小さな狂気を奏でる』

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054889088285


 プロットの話はまた、になりました。こんな体裁で始めちゃったから、体験記書くのに普通より時間が……💦


 本編も、先ほど更新しました! 平日は仕事で進歩遅くなりそうなので、少し書きだめしてあります。


 ではでは、姫まで出て来た体験記にお付き合いいただきありがとうございます。

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