第4話 打撃音

私は誰にもなりたくない

もはや誰にでもなりたい


誰かが見た私など

ころころと変わっていく遠い未来の証憑


風が攫っていく


あなたのその稠密な瞳に

ひとかけらも残さないほど

強烈な煌めきで辺りを染め上げ


まだどんな香りかもわからない

打撃音だけ残して

消えてしまいたい



消えてしまいたい

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