第3話 雨のひとびと

体を貫けない雨が

涙に擬態して流れていくから

都合がいい


そんな態度で

全て洗い流した気になっている

かわいい君は


自分らしくいられないとか

ありきたりなことを言って

当たり前に生きていることを

少しも傲慢だとは思わない


この世で1番不幸な人から

呪い殺されたら

すぐ楽になれるのにって


雨が冷たいと君は泣いた


傘の下から生えた体が

行ったり

来たり

行ったり

来たり


お前もちゃんと雨に撃たれろ


そう言って

首をもいで笑うのが君の本性


傘を落とした手が震えていた

結局それが全て


私は傘を探して歩く


ほらほらもっと自分らしく


雨に撃たれろ

雨に撃たれろ

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