6.28.ガシャ髑髏
ガシャ髑髏はすぐに足を踏み込んできた。
それだけで地面が割れ、石礫が飛んでくる。
空圧結界でそれを防ぎながら、作戦会議を開始する。
まだ相手も様子見の段階だろう。
その間に手短にしなければ……。
「どうする?」
「俺が行きましょう。これであれば切れるはずです」
「弱点とか分からないよー?」
「刻め「壊せば大丈夫でしょう」」
「考えることを放棄しないで!?」
あれ、なんかこの二人脳筋が加速してないか?
さっきの戦いで一体何があったというのだ。
でもまぁ、言っている事は間違いではない。
あの硬い骨をどうにかできたらの話だけどな……。
「私があいつを地面に叩きつけます。テンダはその時に攻撃を。応錬様と鳳炎殿は足を狙って体勢を崩してください」
「やってみよう」
「僕今回役に立たないかもー!」
そう言いながらも、とりあえず攻撃の準備はしてくれる。
意味なくてもやらないよりましだからな。
俺は空圧結界を解除して、鳳炎と一緒に走っていく。
ウチカゲもそれと同時に跳躍し、ガシャ髑髏へと向かって行った。
テンダは待機だ。
まだ土地精霊の能力は使えるので、そのまま土を操って足を捉える。
動きの遅いガシャ髑髏を捉えるのは非常に簡単だが、これからが問題だ。
おそらくどんなに縛っても簡単に抜け出してしまうだろう。
でも今回はこけさせることを前提にしたものだ。
無理に捉える必要はない。
「『フレイムボム』!」
鳳炎は爆発による攻撃で足を狙う様だ。
それに合わせて、俺も土を操って足場を崩す。
「──」
だがこけない。
躓くこともなさそうだ。
あの骨動きにくそうに見えるのに全然動じてねぇ!
そこで、ウチカゲがまたガシャ髑髏の肩までやって来た。
目が見えないのか、ウチカゲには気が付いていない。
そのまま拳を握りしめ、肩の骨を地面に向けて思いっきり殴る。
バッギャ!!
骨が折れたと同時に膝が地面に付く。
ここだと思った俺は、膝をついた足を土地精霊でグイッと持ち上げて完全に体勢を崩させた。
受け身を取ろうとしたのか、ガシャ髑髏は手を地面につけようとしたが、そこに鳳炎のフレイムボムが炸裂して地面に上手く手をつくことが出来なかった。
大きな音を立てガシャ髑髏は地面に倒れ伏す。
それを待っていたテンダは、すぐに日本刀を握る手に力を入れて、数歩歩む。
「鬼神舞踊『乱れ花』」
ピョオウ!!!!
テンダが振るった刃の群れがガシャ髑髏に迫り、骨を切り裂いていく。
テンダの攻撃はガシャ髑髏に有効だったようだが、どれも浅い。
一つとして両断した骨は無かった。
おいおいなんだ、どうした二人とも。
なんか前よりめっちゃ強くなってない?
テンダの技は今初めて見たけど、さっきまでこんな技出していなかったと思う。
だってこんな音聞いてないもん。
「うわー。僕たち要らなくなーい?」
「確かに……」
「ってわあああああ!」
「ぬぅ!!?」
二人の攻撃に感心していると、中指だけ地面に叩きつけたガシャ髑髏の攻撃が迫って来た。
爆風と地割れが発生し、まともに立っていられない。
そのまま地面を転がって行き、壁に当たってようやく止まった。
テンダも吹き飛ばされてしまったようで、三人が壁に背を預けている。
めっちゃいてぇ……。
中指だけ地面に叩きつけただけでこれかよ……。
「『大治癒』」
「かたじけない……! これ程とは……」
「流石悪鬼から出たガシャ髑髏……。火力がすげぇ……」
「何あれ……僕の攻撃全部効かないし、やになるよー」
あんなのとまともにやり合ってたら命がいくつあっても足り無さそうだ。
まだ出て来たばかりで本調子ではないんだろうけど……。
このまま行くと俺たち負けるぞ……。
「とりあえず戻るぞ」
「作戦たてよーよー」
「走りながらな! ……あ」
「む? ど、どうされました? 応錬様?」
……硬い骨かー……。
あー、うーん……えーーーーっとですねぇ。
「俺、魔物の姿になったらあいつ倒せるかも……」
「ここで!!?」
「な、なるほど」
「魔物の姿じゃないと使えない技能があってな。それならいけるかも……知れないな! うん!」
ここに来て魔物の姿に戻るのかー!
今あんまりかっこいい姿じゃないし、蛇でもないからこのまま進化するまでは人間のままでいたかったなー!
まぁ背に腹は代えられない。
あの技能であれば絶対にガシャ髑髏にダメージを与えることができるはずだ。
「じゃ、ちょっと時間稼ぎ宜しく!」
「わ、わかった!」
「承知!」
お久しぶりです!
龍の成り損ない、カモン!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます