1.24.時間切れ
あれから一週間が過ぎた。
シルドロックから『シルドバッシュ』。
シルドバッシュから『シールドデフレクタ』に進化していた。
まぁどれもこれも硬い硬い。
俺の防御力が本当にかすんで見えてくる。
進化して技能もそれなりに取得することができたようで、今現在はステータスと技能の確認と合成を行っている最中だ。
俺はというと……少しばかり問題があった。
このクレイカープ……果てしなく経験値取得量が少ない。
と、いうよりはレベルを一つ上げるための経験値の量が膨大なのだ。
この一週間でようやく24にまでレベルを上げることができた。
なかなか大変だった……。いやマジで。
ちなみに今のステータスはこのような感じだ。
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名前:応錬(おうれん)
種族:クレイカープ
LⅤ :24/25
HP :102/102
MP :168/168
攻撃力:95
防御力:102
魔法力:54
俊敏 :49
―特殊技能―
『天の声』『希少種の恩恵』
―技能―
『剛牙顎』『発光』『悪天硬』『水流操作』『クリエイトクレイ』『土壌浄化』『吸収』
―耐性―
『眩み』『強酸』『爆破』『腐敗』
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MPと魔法力が上昇傾向にあり、『水流操作』の使用時間が大幅に上昇していた。
最近では『水流操作』を使用して獲物を捕獲している。
これがなかなか便利なのだが扱いが難しい。
そのためいい練習になるのだ。
魔法力が上がってわかったことがあるのだが、これが上がるとMPの消費が少しだけ抑えられるらしい。
まぁ……微々たるものなんだけどね。
だがもうレベルが24にまでなってしまった。
今日中にでもレベルがMAXになってしまいそうだ。
零漸とは一緒に行動してバカやったり狩りを一緒にしたり、技能の研究をしたりと色々なことをやっていた。
普通に楽しかったし今のままでもいいと思っている。
だが……やはりそれでは駄目だろう。
一人で生きていく力を手に入れさせなければこの世界では生きて行けそうにない。
俺も少し零漸に頼りすぎている節がある。
なんせ遠距離攻撃があるからな。
良くそれに助けられていた。
これはお互いのためだ。
ここで折れるわけにはいかない。
『応錬の兄貴! 技能整理終わりました!』
『お、おう。どんな感じだ?』
『結構いいの出来ました!』
零漸はそう言ってステータスを教えてくれた。
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名前:零漸(レイゼン)
種族:シールドデフレクタ
LⅤ :1/25
HP :76/76
MP :73/73
攻撃力:36
防御力:294
魔法力:31
俊敏 :28
―特殊技能―
『地の声』『大地の加護』
―技能―
『部位強化(爆硬)』『吸収』『ロックキャノン』『発光』『結界』『決壊』『鱗盾』『受け流し』『自動結界』
―耐性―
『孤独』『眩み』『地震』『衝撃』
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―新技能―
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―ロックキャノン―
自身の鱗を飛ばして強力な攻撃をする技能。連射が可能。鱗はすぐに再生する。
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―受け流し―
攻撃を受け流す技能。集中力が散漫になると使用不可能。
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―
体の一部に鱗を再現させる。
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―自動結界―
生命の危機を察知した場合一度だけ展開される結界。再度展開できるようになるには一週間の時間が必要。
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―新耐性―
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―地震―
地面の揺れで体勢が崩れなくなる。
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―衝撃―
大きな衝撃で後ずさりしなくなる。
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……やっぱり零漸俺よりハイスペックだろ!
なんていい技能を取得してやがるんだ!
そしてロックキャノン! ロックガンを何かと合成しやがったぞ!?
普通に羨ましい。
受け流しは……魚に必要かこれ。
鱗盾って……もう体の周り全部鱗だぞ?
で、一番目を引くのが自動結界だな。なんだこのチート技能。
死を一度だけ無効化する的な奴だろ? ああああ羨ましいなぁ!
耐性技能はまぁ名前通りだな。
でもこれ戦闘では非常に役に立つのでは?
ぶっちゃけ魚の体だから意味がない気がするけど……陸に出たら猛威を振るうだろう。
頑張れ零漸。
『おお……零漸お前すげぇな!』
『そうですか!? 有難う御座います! でも……魚の体だと付けれない技能もいっぱいあるんですよね』
『そうだなぁ。でも何かで使える時がくるだろ。わからない奴は残しとくに限るぞ』
『そうですね!』
やっぱり亀って強いな。
最終進化先の亀はどれほどの化け物なのか……。
防御力1000とか余裕でありそうだもんな。
俺も蛇になったらそれなりに伸び幅がわかってくるとは思うんだが……まだわからんのがなぁ。
もどかしいな!
【経験値を取得しました。LVがMAXになりました】
天の声からの報告により一瞬思考が停止した。
…………プランクトンさん? 馬鹿なの?
まだ何もお別れの言葉考えてないよ?
君馬鹿でしょっていうか脳みそ溶けてんのか溶けてんだろ! 無いだろ!!!
おおうおうおう空気読まない代表の名は伊達じゃねぇなぁ!?
『……? どうしたんですか?』
『あ……いやちょっと待ってな?』
やばいやばいやばい。完全に気取られてるだろこれ。
動揺してしまっている俺のほうが悪いんだが……。
ちょっとまって急すぎる! くそ! こんなことならもう少し前に考えておくべきだった!
わぁおめっちゃ怪しんでるこの子!
あー……もうだめだな。
……まぁどうせ言わなきゃいけないんだ。
少し早いけどちゃんと説明しておこう。
ちゃんと説明したら零漸もわかってくれるだろうしな。
一度大きく深呼吸をして、零漸を見て話し始める。
『…………零漸。実は俺……もう陸に上がれる進化ができるんだよ』
『…………』
ほっら何もしゃべらないじゃん!
いや、零漸のことだ。ちゃんとわかってくれるはずだ。
そうに違いない。
『さ、先に陸に上がることになってしまうし……こ、ここでお前とはお別れになるわけなんだが……その、黙っててすまなかった。でもここで別れるのはお互いのためになると思う。短い間だったけど……俺は楽しかった。俺は先に陸に上がってしまうが、お前もちゃんと追いかけて来いよ。そういう約束だったろ?』
零漸は俺の言葉をずっと聞いていた。
何か考えているようだったが、それが何かはわからない。
ただ、次に零漸が口にした言葉は意外なものだった。
『やっぱり、そうでしたか』
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