1.8.復活!
俺は迷うことなく進化先をブルーフィッシュ(成体大)にする。
急激に体が大きくなる感覚がするが、やはり痛みなどは全く感じない。
鱗が大きくなって元に戻り尾びれたちも戻ってきた。
色は同じく白色で、先程よりも体の大きさが3倍ほど大きくなる。
鱗はひし形を半分に割ったような形になり、凸凹しているのが特徴的だ。
尾びれ、胸びれ、背びれは細長くなり、海の魚に近い形になってくる。
そして注目するべきポイントが一つ出現した。口の横から2㎝ほどの細長い小さな髭が二本生えてきていた。
おおーーーーー! 髭だ! そうだよな。龍といったらあの長い二本の髭ですよ。まだエラ呼吸だけど龍に向かって進化していてるのがわかりますね! 最高です!
そして~! 復活!!! やっほーう! これでまた泳げるぜ!
これでLV上がって進化できなきゃプランクトンだけで生きていかなきゃいけなかったんだな……。マジで命拾いしたぜ……。
そうだ。こいつの特徴を確認しよう。
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―ブルーフィッシュ(成体大)―
成体が限界まで大きく成長した希少な個体。その証として口元に小さな髭が生える。鱗が分厚くなり凹凸が目立つようになる。
体が非常に硬く、ちょっとやそっとの攻撃ではびくともしなくなる。
伝説の高級食材で、おとぎ話でしか語れることはない。食したものに永遠の命が宿るなどと言われているが真っ赤な嘘である。
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おーい。おいおい。国宝級高級食材すっ飛ばして伝説の高級食材ですか。ファールからいきなりホームラン撃たないでもらっていいですかね。
ちげぇんだよ! 俺の高級さとかクッソどうでもいいから! 求めてませんよそんな高級感!
てかあっても食われるだけじゃねぇか! おとぎ話信じたやつが来たらどうしてくれるんだ! キャッチ&リリースなんて絶対しないだろ!
はぁ……でもまぁ硬度はめちゃくちゃ強くなったっぽいな。これならマレタナゴの攻撃も弾き返せるんじゃね? 今の防御力どれくらいだろう。
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種族:ブルーフィッシュ(成体大)
LⅤ :1/20
HP :12/52
MP :90/91
攻撃力:39
防御力:53
魔法力:21
俊敏 :11
―特殊技能―
『天の声』『希少種の恩恵』
―技能―
『大口』『発光』『部位強化(鋭)』『部位強化(硬)』
―耐性―
『眩み』『強酸』
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おろろ? 技能と耐性に新しいのが一個増えてる!
部位強化(硬)……防御力底上げする感じだな!
で……強酸耐性……あいつの胃酸って強酸だったのか……まぁ俺の鱗が溶けだすのめっちゃ早かったしな。
ん!? 移動速度おそー!! ぬぐあぁああ体が鉛のようだ! こ、これは早急にLVをあげる必要性があるぞ……!
まぁあそこに経験値の塊がいるんですけどね。ではいただこうじゃないですか!
いただきまーす!
『大口』と『部位強化(鋭)』を使用して、腹を食い破った時のようにかぶりついて肉をむさぼり始める。
大きくなって口の大きさも、顎の力も強くなったので楽々と肉を食いちぎることができた。
食べている間は経験値の取得の声が何度も聞こえてくる。ちょっとうるさい。
食べている最中……マレタナゴの小さな群れがこのニジマスを狙っていたので、発光で目をくらませておやつ感覚で経験値にしてあげた。
魚は人間であった時でも食べていた記憶が残っているため、躊躇はしない。
肉はほとんど食べ終わったのだが、背骨など大きな骨は流石にかみ砕くことはできなかった。
あばらの柔らかい骨を食べてみたが、経験値にはならないようだった。
ケフー。ごちそうさまでした! ……めっちゃ食えたな……。あの肉俺の体のどこに行ってんだよ……。全部食えたぞ。
まぁいいや! 多分経験値に還元されてどっかいってんだろ。
さぁそんなことよりステータス確認だ!
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種族:ブルーフィッシュ(成体大)
LⅤ :18/20
HP :105/105
MP :163/163
攻撃力:67
防御力:112
魔法力:43
俊敏 :42
―特殊技能―
『天の声』『希少種の恩恵』
―技能―
『大口』『発光』『部位強化(鋭)』『部位強化(硬)』
―耐性―
『眩み』『強酸』
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はーっはっはっは! 完全復活だぜ! いやぁ~結構LV上がったなぁ。
あのニジマス……もう会いたいとは思わないけど楽に狩れるようになったら積極的に狩っていきたいなぁ。
……まぁこの川、生物あんまりいないんだけどさ……。
おっと、そうだ。技能の確認するの忘れてた。
まぁさっさと食べたかったし。落ち着いたから確認していこうか。まずは部位強化(硬)から。
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―部位強化(硬)―
自身の体の一部の硬度を上昇させる技能。MPを使用すれば使用するほど硬度は上昇するが、俊敏が落ちる。
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ほぉ。要塞になれるって事ね。わかった!
俺の場合MP余らせまくってるからいいかもしれないなこれ。使う機会あるかなぁ……。まぁ将来使えることを願って置いておきましょう。
ほい、次は強酸耐性。
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―強酸―
強い酸性の攻撃を耐えることができる
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耐性が手に入るってことはやっぱりアイツやばい奴だったんじゃねぇの!? よく頑張った俺……。
でもあの戦いはめっちゃ勉強になったな。
技能は一緒に複合して使用が可能ということ。どれくらいまで一緒に発動できるかわからないけど、技能は使い方次第で最強の武器になりそうだ。
……てか『大口』と『部位強化(鋭)』を何回も一緒に発動させるのめんどくさいな……。なんか一発で一緒に使用できるようにならないですかこれ。
【『大口』及び『部位強化(鋭)』を合成して新しい技能を確立させますか?】
ふぁああああっつ!? そんなことできるんですか!? やるやる! やりますやってください! あ、ちょ、ごめんちょっと待ってもらっても──。
【『大口』及び『部位強化(鋭)』を合成して新技能『
ああああああああああああああああああああ!!! やらかしたああああああああ!!! 合成したらなくなるかどうか聞いとけばよかったくっそぉおお!!!
あーあ。だーめだこれ戻らねぇや。うわあーちょっとショックだなこれ。大口はいいとしても部位強化(鋭)はめちゃくちゃ便利だったのに……。
俺もマレタナゴみたいに岩切りたかったよぉおお!
……『
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―
強靭な顎と鋭すぎる牙を口もとに再現する技能。
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え、何それこっわ。あれ? でもこれ大口と部位強化(鋭)を一緒に使うより強くなってね? 強靭な顎とか追加されてなかったしな。
なるほど、これが合成なんだな……!
まぁ技能が強くなるんなら……いいか。でも今度から注意して合成していかないといけないな。マジで注意していこう。
よし! 教訓を生かして一回発動してみよう! 発光で痛い目見たからな……もう同じ過ちは繰り返さないぜ? 任せてくれ。
『
発動してみると、口の中の歯が長くなった。そして相変わらず口が裂ける。
傍から見れば少しグロテスクなのではないだろうか……見えないけど見たくもないので気にしないことにする。
うん。感想としては歯の長さしか変わらない感じだな。実戦でも普通に使えそうだ。
よし! 早速試し切りならぬ試し噛みに行こうでは、あ~りませんか! 探すぞー!
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