第90話-授業参観(亮一視点)

「ふーー。 お風呂空いたよー」


 夕食が終わり、時刻は八時頃。

 俺は一番風呂を頂き、次は妹達が入る番だ。


「ほらあなた達、 亮一君上がったから、ゲームやめて入ってきなさい」


 お母さんが妹達三人に優しくお風呂へ促す。

 それに対して妹達は文句の一つもつかないで、冒険の途中のゲームの電源を落とす。


「よーし! ねえちゃん、まどか。 お風呂いこー!!」


 いつも通り仲良しな妹達。

 けれどなぜか今日はいつもと違う感じがした


 そしてふと見つけてしまった。

「授業参観のお知らせ」と書かれた紙を


――――――


 と言う訳で来てしまった訳だ。


 「お兄ちゃん!!」


 俺を見つけた沙耶ちゃんはまぶしい笑顔を浮かべながら駆け足でこちらに向かって来た


 どうしてきたの? や、なんでしってるの? なんて言葉を並べるのではなく、沙耶ちゃんはまっすぐに俺を見つめて、「ありがとう」とほほ笑むだった。

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