第87話-愛の暖かさ
「わぁ!! お菓子いっぱいだー!!」
差し出したお菓子に、葵ちゃんが目をキラキラさせながらどれから食べようかと手をポテトチップの前に出したり、クッキーの前に手を伸ばしたりしている。
「ふふっ。 葵ってば食いしん坊なんだから」
「葵お姉、みんなのだからね……?」
それを聞いた葵ちゃんは少し頬をぷくっと膨らませながら「わかってるよまどか!! それにねえちゃん! にいちゃんが居るんだからそう言う事言わないで!!」と怒った
妹たちがじゃれていると、俺の隣にちほちゃんがそろりとやってきて、「みんな仲が良くていいですね! 私は一人っ子だからうらやましいなぁ……」と言ってきた。
ちょっと距離が近い気がしたが、あまり気にしないようにしながら、話を続ける。
「俺の自慢のかわいい妹達だよ。 沙耶ちゃんたちが俺の妹で本当に良かったっていつも思うんだ」
「あらま。 だってよ! さやちん」
顔を真っ赤に染めながら沙耶ちゃんは「えっ!? あっ…… ありがとぅ……」と言ってくれた。
その後葵ちゃんが立ち上がり、あぐらをしている俺の後ろに回り込んで、ぎゅっと抱き着いてきた
「葵もにいちゃんがにいちゃんで良かったって思うよ!」
そしてまどかちゃんも前から抱き着いて、「まどかもお兄と同じ気持ちだから」と言ってくれた
妹たちはとても暖かかった。 ストーブとかとは違う、愛の暖かさ。
「あらま~。 仲がいいようでっ あ、さやちんはいいの?」
「わ、私はいいのっ!!」
先ほどよりもさらに顔を赤くしながら、強がる沙耶ちゃんであった。
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