「それでね、俺が教室に戻るとその人は謝って何処かに行っちゃったんだ」

　ご飯を食べながら今日の出来事を家族に伝える。

　もしかしたらあの「黒い眼鏡をかけた女の子」の心理が分かるかと思って。

　でも少しは予想つくんだけどね

「うーん。　やっぱりお兄ちゃんの言う通りに、勝手に見て悪いと思ったんじゃないかな？」

　やっぱりそうかな？と、思っていたが、葵ちゃんの一言で少し揺らぐ

「にいちゃんの絵にいたずらしたんじゃない？　だから慌ててたんだよきっと！」

　良く考えてみると、その後俺は自分の絵をちらっとしか見ていない。

　でもそんなことするような人には見えなかったけどなぁ

「うーん……　明日、絵を確認してみるよ。　なんともなかったら気にしない事にする」

　何かいたずらはされていないとは思うが、少し気になる亮一であった。

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