第38話-お菓子作り

「えっ?! アルバイトされるんですか? 家事もこなしながらですよね…… 亮一さんは凄いです。」


 お褒めの言葉を貰い、返事をしようかと思ったが、レジの順番が回って来てしまった。


 お会計を済ませると俺の自宅へと委員長と向かう。


 道の途中、いろいろ最近の話題となっているアニメの話や、ドラマの話をしながら歩く。


 家の前に着くと、委員長がもじもじしだす。


「なんだか緊張します……」


「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ。さ、どうぞ」


 委員長が玄関へと入る。


「お邪魔します」


 妹たちはまだ帰って来ていないようだ。


 早速調理の準備を始める。


「よし! 材料は全部あるな! 始めようか委員長」


「はい! 宜しくお願いします!」


 こうして二人で楽しいお菓子作りが始まった。


 調理開始から大体30分くらい経った頃、妹たちがお母さんと一緒に帰って来た。


「ただいまー!」


 俺はキッチンから「おかえり」と返事をする


 が、すぐには妹達は家に上がってこない。


 その頃妹達は……


「この靴……お母さんのじゃ無いよね?」


 沙耶ちゃんが靴を見て疑問に思う


「そうね。私のじゃ無いわよ? 亮一くんのお友達のかしら?」


 なんてことを話していた。


 少しすると妹達が上がって来た。


「あ、にいちゃんのお客さんだー」


 と葵ちゃん。


 それを聞いた委員長は妹達に駆け寄り、挨拶をする。


「こんにちは! 亮一さんの同級生の楠瀬真理香と申します」


「こんにちは! 私は沙耶です。この子が葵で、こっちがまどかです」


 ちゃんと挨拶をする沙耶ちゃん。偉い。


「キッチンで何なさってるんですか?」


「亮一さんにクッキーの作り方を教えてもらってるんですよ」


「いいですね! 私はお兄ちゃんに良く夕食の作り方教わってます! 私、料理好きなんですよ!」


「あら! それなら一緒にどうです? お菓子作りですけども」


 すると沙耶ちゃんは目をキラキラさせて、


「良いんですか!?」


 と言った。

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