第37話-委員長と材料の買い物

 放課後……


「じゃ、亮一。委員長とデート楽しんでな!!」


 一言残して去って行った。

 知幸は相変わらずのようだ。


 委員長から、「校門前で待っていて」と言われたので、校門前で待つことにする。


 しばらくすると、委員長がやってくる。


「ごめんなさい。亮一君、結構待ちましたか?」


 少し待ったが、委員長は学校のお仕事があったりするので、責めたりしない。


「気にしなくて大丈夫だよ。それよりお仕事お疲れ様」


 委員長は少しびっくりした後、俺には聞こえない声で、


「亮一君はやさしいな……」


 と言った。


「さ、行こうか委員長」


「あ、はい!」


 俺たちは近くのスーパに向かった。


「亮一君と買い物……うふふ。」


 委員長が笑顔で、とても楽しそうだ


 スーパーに着くと、さっそく材料を見る。


「えっと、薄力粉にバター、砂糖は家にあるから……。あ、卵も買わなきゃ」


 買い物をしていると、ふといいアイデアが浮かんだ。


「あ、委員長、プレーン味もいいけど、ココア味も作る?」


「はい! ぜひ!」


「そしたらココアも買ってと」


 材料を一通りかごに入れ、レジに並ぶ。

 少し混んでいるので、委員長とお話をする。


「亮一君は良くこのスーパ来るの?」


「うん。いつもは家から近い商店街だけど、よく来るよ」


 こんな感じの会話が続いた後、ふと大事な事に委員長が気が付く。


「あ! 亮一君。お会計私出すよ!」


「ありがとう。でも今回は俺が出すよ」


 少し心配そうな顔つきに委員長がなる。


「嬉しいけど、亮一君は妹さんとか居るし、お小遣い大丈夫なの?」


「うん。今度知幸の飲食店でアルバイトすることになったから、心配いらないよ」


「えっ!!?」


 委員長はその言葉に衝撃を受けたようだった

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