第32話-アルバイト承諾

 この発言後、詳しく話を聞いてみたら、アルバイトを一人雇いたいが、どうせ雇うなら信頼できる人に任せたいとのことで、ぜひとも俺を雇いたいらしい。


「お願いできませんかね? 亮一さん」


 思えばこの前、妹達とショッピングモールに行ったときに、アルバイトしたいなーなんて思っていた所だったのを思い出す。


「実を言うと、バイト探していた所だったんだよね」


 俺がそう言うと葉奈ちゃんは花が咲いたように喜んで、慌て始める。


「え、えっと、バイトしてくれるってことでいいんですか?」


「うん。よろしくね葉奈ちゃん」


「あ! ありがとうございます!!」


 この後俺は、葉奈ちゃんに見送られ、家に帰った。


「ただいまー」


 家に入ると、妹達が玄関まで駆け付け、迎えてくれる。


(妹三人)「おかえりー」


「うん。ただいま」


 靴を脱ぎ終えた所で、紗耶ちゃんが話しを切り出す。


「お兄ちゃん今日はどこか寄ってたの?」


 帰りが少し遅かったからだろうか、少し心配そうにしている。


「うん。友達の知幸のお家にお邪魔してたんだ」


 葵ちゃんが、「知幸さんねぇ…」なんて意味深に考えながらつぶやいた。


「お兄、おなかへった」


 まどかちゃんが俺の服をクイッとつまみ、話しかけてくる。


「みんなごめんね。今からご飯作るからね」


「お兄ちゃん、お手伝いするよ」


 紗耶ちゃんはお手伝いしてくれて助かる。


「うん。頼むよ」


 アルバイトをすることになったことを言うのを、どんなタイミングで言えばいいのかなぁ、なんて考えながら料理をした。

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