第26話-お昼休憩

「ピンポン」


 ボタンを押すと、店員さんが駆け足でこちらに向かって来る。


 俺たちのテーブルに、何も食器が無いことを店員さんが確認すると、ポケットから、注文のオーダー機械らしき物を取り出し、


「ご注文はお決まりですか?」


 と、笑顔で聞いてくる。


「あ、はい。この濃厚チーズのハンバーグを四つ下さい」


 俺はメニューの写真を指差してその質問に答える。


「かしこまりました。ご注文は以上でよろしいですか?」


「はい。大丈夫です」


「濃厚チーズのハンバーグを四つお持ちいたします。しばらくお待ち下さい。ごゆっくりどうぞ!」


 店員さんは笑顔で言うと、この場所を立ち去る


 すると、まどかちゃんが俺の腕に体を寄せて、ピタッとくっついてくる。


「お兄、注文言ってくれてありがと……まどかは知らない人と話すの苦手だから……」


 まどかちゃんの性格上、そうなのかな?とは予想していた。けど


「そんな、お礼なんて要らないよ! みんな一緒のハンバーグだったから、代表して言っただけだよ!」


「それでもまどかは嬉しかったの。ありがとう。お兄」


 まどかちゃんは本当にいい子だなぁ

 その後、沙耶ちゃんと、葵ちゃんからもありがとうと言われた。

 うんうん。みんないい子だなぁ。


 お話をしていると、店員さんがやってくる。


「お待たせしましたー! 濃厚チーズのハンバーグでございます!」


 じゅわーと音を立てながら、テーブルに四つのハンバーグが並ぶ。


「(おいしそう)」


 そう言葉にしなくても、みんなの顔を見れば、そう思っているのがわかる。


「じゃあ、食べますか!」


 妹達は無言で、そして笑顔で頷く。


「(四人)いただきます!」

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