第24話-ショッピングモール2

 沙耶ちゃんはまだ厳選しているが、葵ちゃんは青いパーカーが気に入ったらしい。


 葵ちゃんだけに青いパーカーが似合うってね。(何言ってんだ俺)


 さ、沙耶ちゃんの服を選ぶのを手伝ってあげよう。


「沙耶ちゃん。何か良いの見つかったかな?」


 沙耶ちゃんはこちらをチラリと見た後、服を自分の体に当てて、質問してきた。


「お兄ちゃんはこれと……これ、どっちが良いかな? 一つは決まったんだけどね。もう一つくらいせっかくだから欲しくて」


 決まった服とは、俺が持っているこの黄色い毛糸のセーターの事。試着したところを見せてもらったが、似合っていて、とても可愛かった。


 そして今迷っている服は、薄いピンクのTシャツと、複数のハートが描かれているシャツだ。


「どっちも捨てがたいんだよねー」


「試着はしてみた?」


「うん。お兄ちゃんにも見てほしいから今着る! 見てくれる?」


 上目遣いでこちらを見る。そんな可愛いテクニックどこで覚えたんだか。


「もちろんだよ。あ、あそこ空いてるから行こうか。」


 そう言うと俺たち四人は試着室に向かう。


 沙耶ちゃんが着替えている間、葵ちゃんとまどかちゃんとお話し。


「あ、そう言えば、まどかは服いらないの? 見てないけど。」


 葵ちゃんがまどかちゃんに問いかける。

 ここのショッピングモールはこども服がたくさんある。


「うん。おさがりあるから」


 まあ、確かにお姉ちゃんが二人も居たら結構な服の数になるだろう。沙耶ちゃんも葵ちゃんもおしゃれ好きだから尚更だ。


「そう……。まどかが良いならそれで良いけどさ」


ちょうど話が終わった頃、沙耶ちゃんが居る試着室のカーテンが開く。


「どう? お兄ちゃん」


 最初に着たのは薄いピンクのTシャツだ。


「うん! 似合ってる。可愛いよ!」


「ほんと!? えへへーじゃあもう一つの方来てくるね。」


 嬉しそうな笑顔で照れていた。


「お姉ちゃん出来るだけ早くしてー」


「はーい」


 ここでまどかちゃんに問いかける。


「あ、まどかちゃん何か欲しいものとかある? 沙耶ちゃんと葵ちゃんには洋服買ってあげるから、まどかちゃんも何かあったら買ってあげられるよ?」


 まどかちゃんはしばらく考えた後、俺にその答えを告げる。


「まどかは、お兄とこうやっていれればいいの」


 そう言うと俺にギュッと抱きついた。


 可愛いすぎでしょこの子。


 それを見た葵ちゃんは少し薄目をして、


「まどかは甘えるの上手ね……」


 なんて事を言いながら葵ちゃんも抱きついて来た。


 とても嬉しく困った事である。

 何故かと言うと周りの視線が痛い。ただでさえ可愛いのだから。


「ちょっと二人ともー」


 こんな事をしていると、試着室のカーテンが開く。


「シャー」


「お兄ちゃんこれど……って……葵! まどか! ずるい!! 私も!!」


 沙耶ちゃんも抱きついて来た。

 おいおい、みんな人の目気にならないのかなぁ…

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