妹からの愛がすごい

第23話-ショッピングモール

　まず最初に向かったのは女の子用の洋服屋さんコーナー。バスの中で、沙耶ちゃんが行きたいと言っていたのだ。

「おー！　お兄ちゃん！　服いっぱいある！！」

　それもそうだろう、このショッピングモールは結構大きいから。

「それで、ねえちゃんはどんな服が欲しいの？」

　葵ちゃんが沙耶ちゃんに問いかける。

　少し考えた後、急にこちらを向いた。

「お兄ちゃんってどんなお洋服が好き？　可愛い系？　それとも大人っぽい系？」

　少し考える。周りには様々な格好のマネキンが置かれているので、それを見て、参考にする。

「うーんどちらかといえば可愛い系かな！」

　そう答えると、沙耶ちゃんはまどかちゃんに

「可愛い服が欲しいかなー」

　と言った。

「ねえちゃんそれ、にいちゃんの服の好みに合わせてない？」

「さー？　どうだろうねー」

　ショッピングが始まる。

　妹達はお母さんから洋服代をお小遣いとは別に貰っているらしい。

　まあ、気に入った服があったら、みんなに一着ぐらいは買ってあげるつもりだけど。

　早速沙耶ちゃんが洋服を持ってくる

「ねえねえお兄ちゃん。これとかどう？」

　持ってきたのは黄色い毛糸のセーター。

　もこもこしていてとても可愛い。

「うんうん！　いいと思うよ！　それは保留にして、ほかのも見てみたら？　持っててあげるから」

「うん！　ありがとうお兄ちゃん！　後で試着しようかな」

　葵ちゃんも服を持ってくる。

「にいちゃん、このワンピースどう？」

白くて透き通るような生地。シンプルでとても可愛い。

「いいねー！　葵ちゃん！　おっ！？　この服とかどう？」

　俺が取り出したのは無地で青色のパーカー。

「にいちゃんそれいいかも！！　お値段は？」

「値段はセールで1998円だって。でもこのくらい買ってあげるよ」

　すると葵ちゃんの顔がぱあっと明るくなる。

「いいの？！　にいちゃん！」

「もちろん！」

　すると葵ちゃんは、わーいと言わんばかりにニコニコ笑う。うん。可愛い

「もうちょっと見てくるー」

　葵ちゃんはまた服選びに戻って行った。沙耶ちゃんは真剣な顔つきで服を選んでいる。

　まどかちゃんはどうしているのかと言うと、俺と手を繋いで、お姉ちゃんを待っている。

　お利口さんに待っているまどかちゃんには後で、ぬいぐるみでも買ってあげようかなぁ。