第10話-初めての朝
朝が来た。
鳥のさえずり
カーテンの隙間から漏れる太陽の光
いつもとは違う布団の寝心地
決して寝やすい訳じゃない。これは慣れない緊張か。
俺が起きた時は大体7時30分ぐらい。
布団から起きると、可愛い寝顔の妹二人が寝てる。
「まったくかわいいな」
二人ともぐっすり寝てる。
俺は二人が起きないように、部屋を出る。
一階のソファーにはお父さんがいる。
体痛くならないか心配しながらも、落ちていた毛布をそっと掛けてやる。
顔を洗い、スッキリした後、外に出て、今日の新聞を回収する。
新聞をテーブルに置くと、みんなの朝ごはんの準備を始める。
「さて、なににするかな…」
冷蔵庫には卵、ウインナーなどがある。
「ここは定番のトーストパンにしますか!」
あれから少し時間が過ぎ、俺がご飯を作っていると、お父さんが起きる。
「ん?……亮一か?……」
眠たそうな顔を上げ、こちらを見る。あまり寝られなかったか。
「うん。俺だよ。新聞取って置いたから。そこのテーブルね」
「おお……悪いないつも。顔洗ってくるわ」
そう言い残すと洗面所に向かって行った。
次には沙耶ちゃんが起きてきた。
「あ、お兄ちゃんおはよー」
お父さんとは違ってすがすがしい顔。
「沙耶ちゃんおはよう。よく眠れた?」
「うん!」
元気に答える。若いっていいね。
「それはよかった。ご飯丁度出来たから、悪いけどみんなを起こしてきてくれるかな?」
「はーい!」
みんなが起きて、朝ごはんを食べる。
そしてご飯を食べながらお話をする。
「亮一くんのご飯はおいしいわねー」
由香さんがみんなに話しかけるように言う。
「にいちゃんはいいお父さんになるね!!」
葵ちゃんが冗談を言う。
「葵ちゃんありがとう。由香さんも、ありがとうございます。」
こんな日常を、これからみんなと過ごせると思うと嬉しい。
このみんなと居られるこの時間を、俺はとても幸せに思う。
朝ごはんを済ませ、みんなが出かける。
「じゃあ、亮一君、まどかをよろしくね」
「はい! お気を付けて!」
お父さんの車が、まどかちゃんと俺を残して出ていく。
「さて、まどかちゃん、なにかしたい事ある?」
「お兄とゲーム」
まどかちゃんはゲーム好きだなー
「うーん。ゲーム以外って言ったら、何がいい?」
まどかちゃんが考えている。
しばらくすると、まどかちゃんが口を開ける。
「まどかはね、何が好きとか、何が嫌いとか、よくわからないの」
まだ小さいまどかちゃんはきっと、経験が少ないのだろう。なにか一緒に少しずつ経験していけば、新しい発見もあるかもしれない。
「そしたらまどかちゃん」
「?」
「一緒に好きを見つけに行こう!」
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