第5話-結婚祝いのプレゼント選び
少しびっくりはしたが、むしろ大歓迎だ。実の事を言うとそう呼んでほしいぐらい。
「もちろんいいよ! あと、人混み苦手なら後ろおいで」
「うん。ありがとう。えと……お兄ちゃん……」
上目遣いで言われたもんだから、通常よりもダメージが……。
沙耶ちゃんはそのあと、言われた通りに後ろにくっつき、シャツをつまむ。
「沙耶ちゃん。人が見えないと少しは楽かな?」
歩きながら後ろにいる沙耶ちゃんに話しかける。
「うん。だいぶ楽だよ。ありがとうお兄ちゃん」
すたすた歩いていると、規模が大きなお花屋さんを見つける。
「おおすごいな……」
こんな大規模なお花屋さんを見たことがない。それと、今はあまり混んでなく、選ぶのには丁度いい。
「みんな、ここで選ぼうか」
すると葵ちゃんがいい情報をくれた。
「にいちゃん、お母さんね、お花大好きなんだよ!」
「それはよかった。あ、そうだみんな、普通のお花もいいけど、ドライフラワーにしよう?」
後ろにいた沙耶ちゃんが前に来る。
「ドライフラワー? 枯れないやつ?」
「うん。ドライフラワーのようにいつまでも愛が薄れず、いつまでも咲き続けてほしい。って願いを込めて」
これから花をみんなで選ぼうと思ったら、まどかちゃんから疲れちゃった。と言われた。
「沙耶ちゃんと葵ちゃん。自分がいいと思った花を一輪選んで来てくれ。俺とまどかちゃんはここで座って見てるから」
二人はおとなしく言う事を聞いてくれ、一生懸命選んでいる。
しばらくすると、まどかちゃんがもう大丈夫と言ってくれたもんだから、俺とまどかちゃんも二人に合流する。
「どう? いい感じのあった?」
「うん! いっぱいあったけど、私と葵は決まったよ!」
この後、俺とまどかちゃんも一輪ずつ花を選び、組み合わせてみる。
沙耶ちゃんが選んだ花は#胡蝶蘭__こちょうらん__#。花言葉は幸福が飛んでくる。
葵ちゃんが選んだ花はベゴニア。花言葉は幸福な日々。
まどかちゃんが選んだ花は#福寿草__フクジュソウ__#。花言葉は永久の幸福。
そして俺が選んだ花はブルースター。花言葉は幸福な愛。
「よし、とりあえずこの四つのドライフラワーは決まり。あとは店員さんにこの花たちが合いそうなお花を買おうか」
店員さんの所に行く途中、沙耶ちゃんから質問を受ける。
「これらを買ってどうするの? バラバラだよ?」
そういえばこの花たちをどうするかまだみんなに言ってなかった。
「あ、そうか言ってなかったね。ハーバリウムにするんだよ。みんなで作ろう」
店員さんにこの花たちに合いそうな花たちを教えてもらい、それらと、ハーバリウムボトル。ハーバリウムオイルも購入。
「ありがとうございましたー」
四人で横一列になり、手をつないで店を出る。
「お兄、いっぱい買ったね」
まどかちゃんが袋を見て言った。
「そうだね。ハーバリウム作ろうね」
「うん!」
可愛い笑顔。これを見て俺は実感した。
俺は今、心の底から幸せだって。
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