第4話-お昼ご飯
「外食なんて久しぶりだわ!」
ふふっと微笑み、はしゃいでいる妹達を見ている。
「お父さん、どこで食べるの?」
俺も外食は久しぶりだ。友達と買い食いはあるけども。
「それは今からみんなで決めよう。みんな、何が食べたい?」
この後、家族会議のような感じになり、みんな食べたいものが違ったため、いろんな種類がある、ショッピングモールに行くことになった。もちろん食べた後はみんなでお買い物。
ショッピングモールまでは、お父さんの車で行きたい所だが、軽自動車のため、6人も乗れないので、バスで向かうことにする。
バスに乗り込んだ俺たちだが、席があまり開いていない。
「お父さんに由香さんは前空いてるからそちらに。俺達は後ろに。俺見てますんで」
「あら。悪いわね。それじゃあお願いするわ」
こうして妹達と後ろに座った。葵ちゃんが隣に来てと言うもんだから、二人掛けの椅子の隣に葵ちゃん、前の二人掛けの椅子に、まどかちゃんと沙耶ちゃんが座った。
「ねえねえにいちゃん」
嬉しそうに隣でニコニコしている。
「ん?どうした葵ちゃん」
聞き返すと、腕を組んで密着してきた。
「にいちゃんってイケメンさんだよね」
「え……?」
突然のお褒めの言葉にびっくりしてしまい、戸惑う。
「そうね!私もそう思う」
沙耶ちゃんからもお褒めの言葉を頂く。
まどかちゃんは……寝てる。
「あ、ありがとう。」
幸せなバス移動。気付けば目的地に到着していた。
「さ!着いたぞ!」
到着すると一目散にフードコーナーに行く。
それぞれ食べたいものを頼み、楽しいお昼ご飯を堪能した。
さて、食べ終わったところでお買い物。
「すまないが亮一、子供たちを頼めるかな?」
お父さんが申し訳なさそうに言う。
「うん。大丈夫だよ」
俺は迷うことなく答えた。まとめられるかは心配であるが、可愛い妹達と居たいから。
「すまないな亮一。由香、行こう」
なるほどそういうことか……つまり、二人でショッピングか。
「まどかたちをお願いね、亮一くん」
信頼されているな、と実感する。
「お気になさらず。任せてください」
そう言うと二人は人混みに消えていった。
二人の背中を見て、いいことが浮かんだ。
「みんな、結婚祝いにプレゼントを選ばない?」
みんな喜んで賛成してくれた。
さて、どんなものがいいか……。俺と沙耶ちゃんでいい感じのお店を探す。葵ちゃんとまどかちゃんは、はぐれないように、手をつないでいる。
「あ、あのお兄さん」
ふと沙耶ちゃんが話しかける。
「どうした?人混み苦手?」
「うん……。恥ずかしながら。あ、あとそれと……」
もじもじしている。
「お兄ちゃんって呼んでもいいですか……?」
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