神の激突
復活した【
そしてそれに気付いた一人である【
一方その頃、【
そしてその先に見据えるのは瓦礫の山であり、その中に居る者達に声を向けていた。
「……しぶてぇな」
「――……グ、オォ……ッ!!」
そう【
すると身体に
しかしケイルは身体のあちこちに大小の傷を負い、血を流す様子が見られる。
そしてその下には、負傷したアルトリアが意識も朦朧としながら瓦礫に背中を預けて座っていた。
間近であの
それでも重傷を負ったことに代わりにはなく、それを癒す手段も無い状況となっていた。
「はぁ……はぁ……っ。……おい、まだ生きてるか……!?」
「……何とか、ね……。……でも、色々と折れたわ……」
「なんだ、どっかの骨か……?」
「骨くらいだったら、マシなんだけどね……。……そっちは、どう……?」
「……アタシに聞くなよ」
二人はそうした声を向け合い、互いの状況を確認する。
そして互いに同じ相手へ視線を向けながら、身体以上に
目の前に見える【
彼女達が戦った『
更に頼みの綱とも言えるアルトリアの
そんな状況下に立たされた二人は、疲労以上に色濃い絶望が滲み始めていた。
すると【
それを見て彼女達は表情を強張らせると、動かしていた【
「!」
「……はぁ、そっちもか」
「リエスティア……ユグナリス……!」
そして土埃が舞う中でそこに立つ二人の人影を見ると、呆れるような溜息を零した。
するとアルトリア達もそちらへ視線を向け、そこに立つ
更に両手を向けながら時空間を形成させたリエスティアを守るように、ユグナリスは『
「――……時間を稼げばいいんだね?」
「は、はい。……でも……!」
「大丈夫だ、俺に任せてくれ。――……オォオッ!!」
ユグナリスはリエスティアとそう話した後、その場から飛び出す。
そして『生命の炎』を纏い、赤い閃光となって【
それを酷く冷淡な赤い瞳で見つめる【
するとそれが凄まじい
しかし次の瞬間、ユグナリスの真正面に大きな
それによって
「!」
その時空間から【
しかし更にその
「――……オォッ!!」
『
しかしコンマ数秒にも満たぬその斬撃が届くよりも早く、【
それすらもリエスティアが作り出した時空間が飲み込み、
しかし今度は腕を切断できず、そのまま引き戻した【
「ッ!?」
「即興にしちゃ、いい
「ッ!!」
渾身の一撃をただの腕で払い除けられてしまったユグナリスに、【
そして今度も右拳を振り翳し、態勢を崩したユグナリスを攻撃しようとした。
ログウェルとの訓練で鍛え上げた反射神経がユグナリスに
しかし掠めただけの
「グァッ!?」
「ユグナリス様ッ!!」
更に次の瞬間には、そのまま直進する【
すると地面が吹き飛ぶように砕け散り、【
リエスティアはその衝撃にユグナリスを巻き込ませない為に、再び時空間の穴を形成して倒れるユグナリスを自分の元に
しかし『
「ク、ゥ……ッ。……ちょ、直撃じゃ……なかったのに……っ!!」
「ユグナリス様……!」
「だ、大丈夫……。……まだ、やれる……!」
折れ砕けた左肩と左腕を下げながら右手だけで剣を持つユグナリスは、自己治癒能力を高めながら構える。
そんなユグナリス達を一瞥する【
「
「!」
「……アレは……!?」
対峙する彼等に対してそう呟いた【
一見すればそれは魔力の炎で作られた
「アレは、まさか……太陽と同じ……!?」
「えっ!?」
「いけない、アレは……私でも無効化はできません……!」
「!?」
「――……じゃあな」
二人は炎の球体が危険である事を即座に理解し訴えながらも、【
そして凄まじい速さで向かって来る小型の
「掴まって! 早くっ!!」
「ユグナリス様っ!!」
「ッ!!」
それぞれに二人は傍に居る者に手を触れさせ、着弾寸前に転移を成功させる。
すると小型の
更に劫火の灼熱によって周囲の樹木は水分を奪われながらながら分子レベルで融解し、砂よりも細かく
そして数秒後、それが治まった中央には無傷のままの【
すると次に現れた場所は、四人が転移して遠く離れていた聖域内の
「――……!?」
「クソ、位置がバレてやがるっ!!」
「違うわ! ここに
「!?」
転移して現れた【
そして傷が癒え終わっていないユグナリスも同じように立ち上がり、互いに剣を構えながら【
その後方で構えるアルトリアとリエスティアも、自分が出来る魔法で
そんな四人に対して、【
「無駄な
「!!」
「用があんのは、
「……っ!!」
改めて【
すると互いの脳裏に同じ心境を持ち、後方に立つに二人に声を向けた。
「……アリア、お前だけでも逃げろ」
「っ!?」
「リエスティア、君も逃げるんだ!」
「!!」
「アイツの狙いは、
「……そんなの、出来るわけないでしょっ!!」
「私もですっ!!」
狙われている自分達をそのままに、二人は他の二人に逃げるよう呼び掛ける。
しかしそれを拒否する二人に渋い表情を浮かべると、【
「安心しろよ。遅いか早いかの違いだけだ」
「!」
「お前等を殺して他の
「……!!」
「安心して
「……クソ……ッ!!」
威圧感を更に増しながら凄まじい殺気を放つ【
その言葉が
それでも身構える事を
「そうか。――……じゃ、苦しみながら死ねよ」
「……っ!!」
再び右手の指先から小型の
すると太陽から発せられる
「く……ぁ……っ」
「……ぁ……」
「……ク、クソ……ッ」
「は……ハ……ッ!!」
放たれる
辛うじて『
しかし次の瞬間、凄まじい速さで迫る大岩が【
「っ!?」
投石を受けて身体ごと押し出された【
すると投石された場所を視認し、表情を強張らせながら呟いた。
「……チッ、またお前か。……クソフォウルッ!!」
「――……クソはテメェだろうが、ジュリアッ!!」
【
そして倒れ伏す四人の前に一人の大男が着地し、その肌を徐々に赤くさせながら肉体を膨張させ始めた。
更に額に二本の黒い角を生やし、犬歯を鋭くさせた四本の牙を見せる。
すると顔を上げながら【
「クソガキが、また好き勝手にやりやがって」
「ハッ、またアタシの邪魔しようってか? クソ鬼のジジイが」
「邪魔なのはテメェだってんだよ。――……おいっ、
「――……!」
「コイツ等はお前に
「逃げる? アタシが? ――……上等だよ。今度こそぶっ殺してやる。クソ
「やってみろ、クソ
二人は互いに凄まじい殺気を衝突させ、その場に地響きを起こさせる。
そして次の瞬間、その場から消えた二人は互いの右拳を衝突させながら身体ごと激突させた。
二人の衝突は周囲に凄まじい衝撃と地割れを起こさせ、水分が抜けた樹林や土を再び吹き飛ばす。
そうした中で倒れ伏していた四人もまた身体ごと吹き飛ぼうとする中、それを掻い潜りながら
「――……頼んだよ、おじさん! いや、鬼神のおじさん!」
そう言いながらマギルスは回収した四人と共にその場を離れ、凄まじい速さでその場から離脱する。
すると【
こうして全ての
それは数千年前の第一次人魔大戦時代にも起きた、
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