削り合う命
その勝敗が自分達の
彼等が振るう剣に自然と
「――……ッ!!」
「ほっほぉっ!!」
ケイルと同じ『
そして徐々に反撃が行えるようになり、大剣のみならず
対するログウェルは徐々に速くなる
それ等の反撃すら一度として
その周囲は徐々に崩壊し、二人の足場は不安定になっていく。
すると次の瞬間、右足で踏み込んだログウェルの足場が僅かに沈み込み、安定していた姿勢が崩れた。
「!」
「ガァアッ!!」
エリクはその隙を見逃さず、凄まじい膂力と速度で振った大剣を右手で薙ぎ向ける。
そしてコンマ一秒にも満たぬ速度で迫る大剣に、ログウェルは右手に持つ長剣と左腕での
その瞬間、エリクの大剣が防御している長剣へ激突する。
するとログウェルはその場から大きく吹き飛ばされ、その先に在る
「!!」
「おぉっ、やったかっ!?」
遠く離れた位置に置く
そしてログウェルが吹き飛ばされた場所を映像で拡大すると、崩れた
それは吹き飛ばされたログウェルであり、長剣と共に防御した左腕の袖が大きく破れている。
しかし左腕や右手に握る長剣が折れている様子は無く、バルディオスはそれに驚愕の声を零した。
「む、無傷なのか……。アレを受けて……」
「ログウェル……ッ」
それはログウェルの耐久力が
するとログウェルは
「――……ほっほっほっ。
「……さっきのは、ワザとか?」
「だったら、どうするね?」
「……」
敢えてそう答える
そんな
「さて、準備運動はこれくらいで
「!」
「お前さんの望み通り、ここからは本気としようか。――……『生命の風』」
「……ッ!!」
ログウェルはこれまでの戦闘を準備運動だと言い放ち、自身の纏う
それと同時にその場から消えた瞬間、エリクの視線が微かに動きながら
すると次の瞬間、二十メートル以上は離れていた二人が衝突する程の距離で互いの剣を激突させる。
『生命の風』を纏わせたログウェルの
しかし激突したログウェルの長剣にも、『生命の風』が纏わされている。
それはエリクの纏わせている
「ッ!?」
「さぁ、コレはどうするかねっ!!」
「クッ!!」
『生命の風』が初見であるエリクにとって、ログウェルが
しかし先程以上の速度で斬り込まれるログウェルの
今度は防御ではなく最小限の動きで長剣を避けたエリクだったが、纏わせている『生命の風』が再びエリクの
それによって間近での防御と回避が不可能である事を理解し、何かを思い付いたエリクは大きく後方へ高く飛び退いた。
それを見たログウェルは鋭い眼光を見せ、『生命の風』を身体に纏わせた。
「逃げるのは――……いかんのぉっ!!」
「っ!!」
中空に飛び退いたエリクにログウェルは再び迫り、互いの武器を衝突させる。
それによりエリクの大剣は再び欠け、それを持つ両腕を再び切り裂いた。
しかしその痛みに耐えるエリクは、それを待っていたかのように雄叫びを上げる。
「オォオオッ!!」
「む!」
次の瞬間、腕力を高めたエリクは大剣を薙いでログウェルを地面側へ弾くように叩き出す。
それにより
更にログウェルの着地直前、エリクは大剣から
しかもその斬撃範囲は広く、ログウェルが着地する瞬間の硬直をエリクは狙った。
するとログウェルは微笑みを強め、素早く背中を地面側に向け、右手で握る長剣の刃先をエリクに向ける。
それと同時に左手をエリクに向け、『生命の風』で生み出した弓と弦に、自身の
「――……『
「っ!?」
そして二つの攻撃が衝突した瞬間、エリクの放った
更に貫通した
それを一早く勘で察したエリクは、大剣の腹を盾にしながら矢を防ぎ止めた。
しかし防御した大剣の腹に亀裂が入り、エリクが表情を歪める。
それで咄嗟に身体を捻り、
それと同時に地面へ向かっていた
数秒後、破壊された地面へ一つの影が落下する。
それは
そんなエリクが見ている方角にもまた、一つの人影が見える。
それは
「――……ハァ……ハァ……ッ!!」
「――……ほっほっほっ、良い
互いに傷を負いながらも、その度合いは全く異なる。
同じ
それでもエリクは戦意を衰えさせず、大剣を支えにしながら立ち上がる。
しかし次の瞬間、支えとしている大剣の腹に入った亀裂が広がり、嫌な音を響かせた。
「……!!」
地面に落ちる大剣の刃先と破片を見て唖然とした様子を浮かべるエリクに対して、ログウェルは真上を見ながら僅かに足を退かせた。
するとログウェルの
それを回避し地面に刺さった長剣の柄を右手で握ったログウェルは、
「お前さんの
「……っ」
「じゃがな、戦いを止める気は無いぞい」
「……くっ!!」
それを見るログウェルは口元を微笑ませ、再び『生命の風』を身体と長剣に纏わせた。
こうして老騎士との戦いの最中、エリクは自身の
それでも止まらぬ二人の
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