憎悪の泥
エリクを介して自らの
それを妨害しようとする『神兵』達をエリクに任せ、アリアは自らの精神を
『――……これって……!?』
意識だけが加速し繋がる精神世界の中で、アリアは意識の瞳を見開きながら驚愕を零す。
それは本来ならば全てが白に染められているはずの精神世界が、全て黒に染め上げられた景色を目撃した為だった。
アリアは自らの精神を具象化し、自身の姿を模す形で黒い精神世界に舞い降りる。
そして自身の輝き以外に光が無い精神世界を見回しながら、訝し気な表情を浮かべながら呟いた。
「……魂の門も見えないし、精神も感じられない。……
アリアはそう言いながら
そして果てしなく続く黒い精神世界の中で存在するはずの
するとある方角に俯かせていた顔を振り向けると、アリアは驚きの声を漏らす。
「……この気配は、
自身の精神内部に第三者が存在する事を察知したアリアは、それを探る為に
するとかなり距離が離れた場所で赤い
「……あの炎、まさか……」
アリアは遠目に見えた
しかしその
そこには舞い散る炎の中で一本の
その青年の顔を視認したアリアは、悪態にも似た声で呟いた。
「やっぱり、アンタだったのね。――……
「――……クッソッ!!」
過去と未来において最も嫌悪していた
すると
それを見たアリアは、
「……そうか。あの
「このぉおお……ッ!!」
「でも、
アリアはそうした推察を零し、
未来のユグナリスはケイルに憑依して
そして見事に
しかし溢れるように生み出され続ける
そうした状況を理解しながらも、未来の戦いで打ち負かされたユグナリスを前にしたアリアは、非常に不機嫌な様相を浮かべながら腕を組んで状況を見据えた。
「……アレは、未来で戦った時の姿。ということは、私と同じように未来の
「クソッ、キリがない……っ!!」
「これも『黒』の仕業ね。アイツ、どこまでこの状況を予知してたのよ。……それより、問題は……」
「ォア……ッ!!」
「……アイツとだけは、例え世界が滅びたとしても共闘したくないってことね」
押し寄せる黒い
それは皮肉や冗談などの
彼女が経験した未来では、同盟都市の襲撃に伴い行方不明になった
更に未来の戦いにおいては異常な強さで自身を圧倒し、最後には身に纏う瘴気すらも全て焼き尽くされて追い詰められた経験は、当時のアリアを酷く激怒させていた。
そんな未来の
しかし
「……アイツ、
アリアは精神世界の
その手前で
すると泥の溢れ出る
それによって精神の奥から溢れ出す自身の
「
ユグナリスに対して共闘ではなく利用する形で用いる事を選んだアリアは、自ら
それに気付いたのはその
「アレは、まさかアルトリアか!? だがあの
「――……フンッ!!」
僅かな時間ながらも視線を重ねた二人の中で、ユグナリスもまた未来で死闘を交えた
そんなユグナリスに対して鼻息を鳴らしながら視線を逸らしたアリアは、
それを見て追おうとしたユグナリスだったが、飛び込むと同時に更に強く溢れ出した
「クソッ!! ――……アイツも、俺と同じように未来から……。……だとしたら、頼るしかないか……!」
後を追えない事に苦々しい面持ちを浮かべたユグナリスだったが、落ち着かせた思考から後の事をアリアへ委ねる決断を浮かべる。
それは
こうして
そして精神世界の中心部である
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