冷徹な義眼
『
その後背を守るように黒い塔で留守を任された側近アルフレッドは、自身の眼で『
そして黒い塔の
一方で
その
「――……【
アルフレッドは内部の映像に表示されない
更に放っている魔力砲撃の軌道を読まれているかのように移動する
「こちらの
そして凄まじい加速を見せながら大陸側に近付く
このままでは
しかし次の瞬間、それを覚悟に変えながら操作盤を扱う両手を離すように引っ込めた。
「……仕方ない」
そう短く呟いたアルフレッドは、自身の右手を
すると
そこから
すると
そうした後、アルフレッドは瞼を閉じながらまるで眠るような表情を見せる。
しかしその直後、
「――……これは……!
「どうしたっ!?」
「敵の
「!」
「マズい! 逆にこちらの侵入経路から、逆に
「!?」
テクラノスが
それに驚愕した『青』は自身に掛かる加速の圧力を薄く張った結界で軽減し、操縦席に近付きながら指示を飛ばした。
「こちらの
「しかし、
「我がやる! こちらの
二人はそうした声を上げると、テクラノスは
それと同時に
それでも今まで加速していた
更に『青』が操縦席に居る
しかし次の瞬間、
箱舟のあらゆる
「ッ!!」
『青』は
それによって船内は大きく揺れながら中に居る者達を宙に浮かせると、『青』は通信器を用いて一言だけ発した。
『衝撃に備えろっ!!』
「!?」
「なにっ!? ――……グ、ァアッ!!」
各区画に備えられた通信器から『青』の警告が響き、そこに居る者達を驚愕させる。
しかも次の瞬間、
その衝撃は、
船体が回転し上を向いた左翼側と、後部の
「グゥ……ッ!!」
「師父よ!」
「分かっている!」
手動操縦する『青』と急ぎ
そして互いの意思を汲むように、『青』は通信器を用いて箱舟に居る者達に伝えた。
『――……この
「!」
『瓦礫や貨物に押し潰されぬ位置で、待機しておけ!』
「えぇっ!?」
『
そう言いながら通信器で秒読みを行う『青』に、それぞれの者達が再び不時着の衝撃に備える。
エリクやマギルスも貨物室から移動した通路側へ避難し、そこで踏み止まった。
そして『青』の秒読みが終わると同時に、再び強い衝撃が
『……三……二……一……ッ!!』
「うわっ!!」
「クッ!!」
大きく揺れ動く箱舟は、
加速した速度は最初より緩やかになっていたが、滑るように擦れて火花を散らす地面への着陸は異様な揺れを船体に起こさせた。
それから徐々に揺れが治まり、擦れるように響く音も薄くなっていく。
それを確認した船内に居る全員が、再び届くだろう『青』の声に耳を傾けた。
『――……無事とは言い難いが、着地は成功させた』
「……はぁ……」
「
『この角度ならば、敵はこちらの位置を視認できていないはずだ。だが、予測はしている可能性がある』
「!」
『貨物室の扉を開ける。全員、急いで
「……行くか。マギルス」
「うん!」
『青』の言葉に従うエリクとマギルスは、再び貨物室に戻りながら大扉の方へ向かう。
貨物室で固定されている
すると『青』の言葉通り、大扉が徐々に開かれ始める。
それと同時に後ろから近付く足音達に気付いたエリクは、振り返りながら声を向けられた。
「――……エリク! マギルス!」
「ケイル、無事か?」
「ああ。他の人等もな」
「そうか。――……ここが……」
「……天界ってやつなんだな……」
「うわー、真っ白な世界だぁ!」
散乱した貨物を飛び越えて来たケイルを確認したエリクは、再び大扉へ視線を戻す。
そして三人は開け放たれた大扉の先に広がる、白く染まったような大地を直に見ることになった。
一方で、
そして内部に佇むアルフレッドは自身の
「――……破壊は出来なかったが、あの損傷では飛ぶ事は出来ないだろう。そして奴等の
そうした言葉を呟いた後、黒い塔の全体に変化が及ぶ。
それ等が数多に及ぶように作り出され、数百を超えるだろう
するとアルフレッドは唇を微笑みに変え、瞼を開きながら横線が引かれた赤い
「……ウォーリス様の邪魔をする者は、私が排除する。――……行け、人形達よ」
『――……!!』
アルフレットが呟く命令に応じるように、
そして
こうして敵の側近アルフレッドに迎撃を受けた
そこは異様な白さで覆われた大地をエリク達は眺めながらも、それを観賞をさせる暇も与えずにウォーリスの側近アルフレッドの脅威が迫ろうとしていた。
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