第6話 これも、まぁ悪くないな…………

「ね、ねぇ!は、激しすぎるっ!!……んっ!!」

「いーや、まだまだ、いくぞ!こんなんじゃ足りない!もっと、強く!!」

ふぅ、こんなものか?

そろそろいいだろう。

「…………よし、こんなものだ。よし、舐めてみろ」

「……………な、舐めるの?これを………?」

「あぁ。頼む」

「………………んっ。い、いいかもぉ。これ、おいひぃよぉ………!!」

「良かった……………じゃなくて!!椿!お前が作んなくてどうするんだよ!?」

「…………へ?」

いや、そんな不思議そうな顔されても!

「これ、元はと言えば椿が料理作りたいって言うから始まった事だろ!?…………結局、俺が作ってるじゃん………」

「……でも、未紘君の…濃くて美味しかったよ?」

ヤバい、前文にならうと意味の捉え方が変わってくる…………不思議!!

いや、違う!俺の作ったソースがだよ!?

「そ、それは、良かった………。じゃあ、テーブルに座って待っててくれ。もうすぐ出来るから」

「うん!分かった!」

そういって、椿はテーブルに座り鼻歌を歌い始める。ふんふんふーん………なんだ、ソレ。

程なくして、俺は料理を運ぶ。まぁ、今回はそれなりの自信作かな。

「どーぞ、召し上がってくれ」

「ありがとう!頂きます!!」

そういって椿は食べ始めた。うん、良い笑顔だ。

俺が椿の食べる姿を微笑ましげに見ていると、キョトンとされた。

「あ…………ごめん。食べたいよね?うん、これ、あーんっ!」

いや、そんな風に見ていた訳じゃないよ!?

ま、まぁ、頑張ったんだしこれぐらいのご褒美があってもバツは当たらんよな?うん、ない!

そういって自分で納得する。

「あ、あーん………」

俺は口を開けて少し椿の方による。

…………家の中とはいえ、恥ずかしいな………。

「……はいっ!………どう?美味しい?」

「………うん、美味い。……………椿が作ったんじゃないよな?」

「…………私との間接キス…………どう?」

「……………っ!!」

美味しい?ってそういう事かよ!!

うわ、確かにそうだな………完全に間接キスだよ!

「…………本番のキスも、する?」

「い、いや!俺達付き合ってないんだしさ!!そういうのは付き合ってからするもんだろ?」

「うーん、確かにそうだね………じゃあ、付き合ってからのお楽しみだね!!」

「……………そうだな」

俺は曖昧に言葉を濁らす。

だって、付き合う事なんてないのだから。

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何故か学校一の美少女は俺の家にいる 雪境 ユキ @Sakino1214

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