第3話 大丈夫。健全。うん………?
彼女、宮原さんが俺の家に居ることになってから丁度1週間。俺は、この1週間で分かったことがある。
それは……………、
「霧ヶ崎君、朝…………だよ?」
「………うおっ!!………あぁ、宮原さん。おはよう………」
「おはよう!……朝ご飯出来てるから、下で待ってるね?」
「うん、すぐ行くよ…………」
宮原さんは、そのまま下へ降りていった。
…………うん、コレだよ!
学校一の美少女が俺にこんなに尽くしてくれているんだよ!?朝は起こしに来てくれてるし、ご飯は作ってくれるし、めっちゃ美味いし…………!!
最高だよ、もう……………。
俺は、制服に着替えて下に降りた。
―――――――――――――――――――――――
「宮原さん、大変じゃない?」
「……ううん、全然大丈夫だよ!むしろ、霧ヶ崎君の事考えたら………やる気でちゃって………」
……なんて、良い子なのでしょう!!
最初は急に人の家に泊まるとか言ってヤバい人かと思っちまったけど…………すげぇ、良い奴じゃん!!
「あ、霧ヶ崎君。口についてるよ………ちょっと待ってね………」
そう言って宮原さんは、俺の顔に口を近づけてきて……………、
「…………………………え?」
頬についていた米粒?を取ってくれた…………。
「……………うん、なんか、美味しかった!」
瞬間、俺の顔があつくなり、赤くなる。
だってコレ…………キス……だよな?
ペロッて舐めてたよね?
…………ダメだ。これ、いつまで続くんだよ……。
どうにか理性を制御せねば…………っ!!
―――――――――――――――――――――――
別に宮原さんと付き合うと決めた訳では無い。それでも、一緒の家にいる以上苗字で呼ぶのもおかしいと思うので、学校までの道のりを歩きながら俺は宮原さんに問いかける。
「その、名前で呼んじゃダメか?………椿って」
「い、いいの?!じゃあ、私も未紘君って呼んでいいの?!」
「あぁ、構わないけど」
「…………じゃあ………」
彼女――――椿は、1度深呼吸をする。あの時と同じくらい緊張しているのか…………?
「これからもよろしくね、未紘君!!」
ドキドキドキドキっ!!
し、心臓に悪いな…………。女の子に名前で呼ばれた事なんて無いから余計、鼓動が高鳴る。
いいや、俺は恋なんてしていない…………はずだ。
―――――――――――――――――――――――
学校が終わって家に帰る。
靴を脱ぎ、洗面所に行く――――――と、
「――――――――未紘、君?―――――――」
「…………………あ、わ、悪い!!」
急いで俺は、ドアを閉める!
ダメだ、見てはいけないものを見た気がする……!
それにしても、意外に膨らみが…………な、何を考えているんだ俺はぁ!?
「す、すまん!い、一瞬!ほんと、一瞬だから!」
「…………………ううん、良いよ」
「……………え?」
「……………………未紘君になら、良いよ?」
俺は数秒固まっていた。お、俺になら良い?あんな事やそんな事まで!?い、いや…………ダメだ。
俺の理性があるうちは、ダメだ。
ドアが開けられた。もたれかかっていた俺は当然、後ろへ倒れる。
そこには、バスタオル1枚を巻いただけの椿がいた。下からは、バスタオル1枚なので、うん。
かなり見てはいけないものが視界に映ってしまう。
「…………………あ………ま、いっか♪」
「…………………!!」
もう、ダメだぁ!誰か助けてくれ………………。
それと、椿マジ可愛い。うん。
でも、付き合う事は出来ないんだ―――――――。
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