【ネイビーブルー】

 子供の頃はネイビーブルーが嫌いでした

 母に「似あっている」と着せられても

 幼心に素敵な色には見えません


 様々な経験を重ねて時を過ごして

 ふと手に取ったネイビーブルーという色が

 何よりも自分に沿っている色だと

 気が付きました


 考えてみれば


 私の好きになる人はみなネイビーブルーを

 着ていたように思います

 だから心惹かれたのかもしれません


 憧れを抱く対象から自分が纏う色へ変化したときに

 私は自分を顧みる向きを変えたのでしょう


 自分を大切にする

 そのことをやっと理解した

 与えることで満たされてきた執着心を

 脱ぎ捨てることが出来た


 私にとってネイビーブルーとはそんな色。




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