第17話 プディ、君は一体ナニモノだ? (ホロ視点)

<ホロ視点>



 幸太郎、いくら何でもこれはないだろう?



 現在ケージにプディと俺は入れられてしまった。

 女性と二人きりなんて、雪以外はあまり免疫が無い俺は、逃げる様にケージの隅に寄った。


 俺にこんな思いをさせている幸太郎は、暢気にソファーに腰かけ本を読んでいた。


 デンは幸太郎の横に座って暢気に昼寝中だ。

 本当は、あそこは俺の定位置なのに……。



「ニャ―(ねえ、あなたホロって言うの?)」


 プディの呼びかけに俺は恐る恐る振り返った。


 俺も猫の中では整った顔と言ったがプディはまた一味違った。

 洋風な見た目もあるが、立ち姿にどこか気品がある様に見えた


「ニ、ニャ(そ、そうだけど?)」

 俺はどもりながらも、なんとか返事を返す。


「ニャニャッ、にーあ(何を緊張しているの? 取って食いはしないわよ。さっき聞いたと思うけど私はプディよ。私、本当はすごく忙しいの。だけど比奈ちゃんの頼みは断れないのよ。養ってもらっている恩はあるしね)」


 ハキハキと猫語だが人間並みに喋る頭が良いプディに、またプディの色っぽい表情に、逃げ腰状態の俺だが、こんな狭い所じゃ逃げ場はない。


 プディは俺のすぐ真横まで歩み寄り俺の頬をペロっと小さく舐めた。

 

 再びプディの赤い舌がペロペロと俺の顔に近づく。


 俺はビクッと身体を跳ねらせ、逃げる様、更にケージの隅に寄った。



「ニャーン(何か企んでるのか? 幸太郎がお人好しだからって騙そうとしても無駄だぞ?)」

 俺の言葉に妖艶に笑むプディの笑顔、可愛い子猫の笑顔なのに俺には何だか違うものに見えた。


「にゃっ(それ? 何)」

 プディが言っていたのは俺がケージの中の寝床にしている場所に置いてあった白いハンカチだった。


「ニャっ(これは、えっと)」


 そう俺が記憶を戻すきっかけだった、幸太郎との事故の時、俺はこのハンカチの匂いに惹かれて飛び出したんだ。


 このハンカチからは雪の匂いがしたんだ。





「にゃ、ナアー(ふーん、教えてくれないんだ?フーン……)」


 その時、プディ―との目が合った時、空間が一瞬歪んだように止まった。


 


 今までほのぼのとしていた空間が、神聖な張り詰めた空気に変わり、周りの色が消え、モノクロになったように見えた。



 幸太郎とデンがいる方に顔を向けると、デンも欠伸をしたまま止まっており、幸太郎も頬に手を伸ばしたまま止まっている。




 どういうことだ?



 何が起こった?










 プディ、君は一体、ナニモノだ?


 


 



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