第11話 ウチにやって来た天使(幸太郎視点)

<幸太郎視点>




 俺の目の前には白いフサフサな毛に包まれたチンマリした子猫が、目を半開きにし、全身を伸ばしたりしながら俺の家のソファーで寝ぼけまなこで寛いでいる。



 お腹を向けたまま、時おり、ぐにゃりと体を丸めたり、先程の様に身体を伸ばしたり。


 眠っているだけなのに俺の心は和むばかりだ。




 この天使が我が家にやってきて、どれくらいたっただろう。


 現在、我が家の欠かせない存在になってきたこいつ。


 名前はホロと名付けた。


 何でこの名前を付けたか?




 俺にも分からない。



 名前を付けよう。そう思った時に頭に浮かんできたのだ。


 俺は人間関係があまり得意ではなかった。

 友達もある程度はいるが、俺の中で境界線があり、自分自身を見せることはできないでいた。


 誰に対してでも素直になれない自分が居た。


 ホロを見ていると、日頃の自分のコンプレックス、他の奴に感じる小さな妬み、自分の中の負の感情が、どうでも良くなる気がした。



 俺はホロの居るソファーの前に座り込み、そっとホロの白いフワ毛に手を伸ばした。


 一瞬、ホロの身体がピクっと動く。


 ウチに来た当初はこの瞬間に目を覚ましたものだが、最近は薄く目を開け小さな欠伸をした後、また眠り始める。


 気が付くと、俺の事も見ろと言っているかのように、デンが俺の膝に黒い大きな頭を乗せていた。


 ホロからそっと手を離しデンを撫でる。

 デンも満足したようにうっとりとした顔で口元を緩ませた。






  最近の自分の心の変化もあるが、

  俺の心を癒してくれる俺を受け入れてくれるのは……。




 


  デンとホロだ。  


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