28.依頼書選び

 村の広場での露店が大成功したその日、夕飯はその時に大量に集まった食材を使い、マコトさんに作ってもらった。


 前菜は色とりどりの野菜のサラダ、副菜には野菜にタレを漬け込み炒めたもの、そして主菜は、村人が川で釣り上げたという魚を使った焼き魚だ!


 サラダ、新鮮で美味しいんだよなー!


 野菜の炒め物に使っているこのタレ、何だろう?


 野菜なんだけれど、メチャクチャジューシーなんだよこれ!


 主菜でもおかしくないよこれ、ホント美味しい!!


 そして、焼き魚~!!


 脂が乗っていて塩味で、非常にジューシー!!


 ジューシーしか表現のレパートリーが無いわけじゃないけれど、動物とかの肉を食べているかのようなジューシーさなので、そこは勘弁して!



 という事で、お腹が満たされたので本日は終了!


 みんな揃って就寝しました。



 次の日。


 この日は朝から冒険者ギルドへ向かった一行。


 何をするのかというと、依頼ボードにある依頼内容から選んで、依頼を受けるのだ。


 早速入室!!


 既にギルドの中では、数人の冒険者が依頼ボードの前でどの依頼を受けようかと悩んでいた。


 「ハルトが受けられるのは薬草採取とか、弱いモンスターの討伐とかだなー。 まあ、地道にやる事だよ。 ただ、今回はパーティーを組むから、俺のレベルの依頼までは受けられるんだぞー!!」


 そう言ってカイトは、自分の冒険者カードを見せてきた。


 ランクは"8"だった。


 「おお! カイトはランク8なんだね!」


 「だから、対応ランク8の依頼までなら受ける事が出来るんだぞ!」



 それから僕たちは、依頼ボード一面に貼られている依頼から、2枚の紙を持って受付に向かった。


 1枚目の依頼は、ハシュードさんが一昨日食べていたハクドリの納品依頼。


 2枚目の依頼は、フクロテイガーの牙の納品依頼だ。


 フクロテイガーとは、お腹部分にカンガルーの様に袋の付いている、中型のトラ型のモンスターの様だ。


 ハクドリは対応ランク2以上、フクロテイガーが対応ランク7以上の依頼だ。


 ハクドリは鶏のモンスターだが、ニワトリと違うのは空を飛ぶ事も可能だという事。


 なので、狩る際には近づいての近接攻撃ではダメなので、弓などで狩る必要がある様だ。


 僕は弓は使えないが、まあここは魔法があるので大丈夫だろうとカイトとハシュードさんは言ってくれた。


 問題はフクロテイガーの方だ。


 こちらはハクドリと違い、攻撃的なモンスターで、尚且つすばしっこいんだそう。


 攻撃方法は、長い牙で刺してガブッとするそう。


 すばしっこくて攻撃的とか、めっさ怖いやん!


 恐怖よ恐怖!


 普通のトラに襲われるだけでも、恐怖で腰が抜けて動けなくなりそうなのだ。


 それがもっと強いモンスターだよ、モンスター。


 絶対足がすくんで、その隙を突かれて瞬間、グサリだ・・・。



 不安でいっぱいだが、カイトもハシュードさんも大丈夫大丈夫という。


 不安でしかないんだが・・・。


 「まあ、最悪の場合ポーション使えばいいよポーション。」


 だって。


 高いじゃんそれ、勿体無いじゃん。


 まあ、効き目は凄いのは、我が身を持って実感済みだから、少しは安心できたけどさぁ~。

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