※解説コーナー 前作のネタバレあり!


前作を未読の読者様の為に、簡単な人物紹介、用語解説をしておきます。前作を読んで頂けるのが最高に嬉しいのですが、全500話、総文字数約190万字と長大なので、お気軽にとはとても言えない……


プロローグの解説


△用語▽


※惑星テラ 地球そっくりの星だが荒廃し、緑の多くが失われている。酸素供給連盟なる中立組織が存在し、不足する酸素を供給しているほど。バイオハザードによって北米南米、アフリカ大陸にあたる土地は化外けがいと呼ばれる不毛の地になっていて、人はほとんど住んでいない。戦争は極東からヨーロッパにかけて行われている。極東からヨーロッパまでの地域を中心領域インナースフィア、外は外部領域アウトサイドと呼び、アウトサイドの蔑称が化外である。コントロールアウトした軍事衛星群の自主防衛機能により、ヘリを除く航空機、ミサイル等の使用が不可能な為、戦争の主軸は陸軍による白兵戦である。惑星テラでは、バイオハザードの影響で、領土を有する国家の概念は崩れ、都市国家が点在する状態になっている。人類の肉体的能力は地球人と同じだが、大きな違いとして超能力を有する者がいる。


※自由都市同盟軍 軍事衛星を掌握する世界統一機構軍の支配から、独立を目指す自由都市による連邦。御堂アスラ元帥が設立した。アスラ元帥は攻撃衛星群のコントロールアウトに成功し、この戦争が始まっている。元帥は既に故人となっている。


※世界統一機構軍 世界全土を統治していた巨大機構。軍事衛星の力で自由都市を支配していた。戦力比は機構軍3、同盟軍2といったところ。両陣営に保護料を支払って戦争に加担しない中立都市も存在する。


※アスラ部隊 主人公が所属する部隊。同盟設立の英雄、アスラ元帥の名を冠して編成された同盟軍最強の連隊。0~11番隊まで存在し、部隊長達は「十二神将」と呼ばれる。主人公は11番目部隊「スケアクロウ」の部隊長である。


※生体金属兵(バイオメタル) 生身の兵士にバイオメタルユニットアンプルを投与し、極めて高い身体能力を持つ超人に変えた戦争の主力兵器。この人間兵器達が戦争の主役である。大きく分けて軽量級、中量級、重量級の3種がある。軽いほど速く、重いほどパワフル。消費カロリーは重量に比例する。軽量級バイオメタルでも常人の約2倍のカロリーを必要とする。


※異名兵士(ネームドソルジャー) 超人兵士の中でも一際高い能力を持つ有名兵士。そのデータが記された異名兵士名鑑ソルジャーブックは兵士必携のアイテムである。


※戦闘細胞浸透率 超人化の源泉、戦闘細胞が体内細胞に占める割合。一般兵は30%未満、30~50%で熟練兵。80%を超えると適合候補者と呼ばれ、90%を超えると準適合者と呼ばれる。100%に到達した者が、完全適合者ハンドレッドと呼ばれる兵士の頂点に君臨する者達である。主人公カナタの適合率は現在99%。


※念真強度 超能力の強度と容量を示す数値。単位はn(ニューロン)


※超能力 希少能力とも呼ばれ、5種のパイロキネシス(火炎、颶風、氷結、雷撃、重力)とサイコキネシス、テレパシー等がある。カナタの持つ狼眼は邪眼系能力と呼ばれ、希少中の希少である。


△人物▽


※天掛カナタ(八熾やさかカナタ) 主人公。地球人の半ニート大学生であったが、惑星テラのクローン兵士の実験体に転生してしまった。地球にいた頃の名前は天掛波平。実はカナタの祖父、翔平が惑星テラから漂流してきた男で、前作で出生の秘密を知った。機転が利き、高い戦闘能力を誇る。渾名は「剣狼」


※リリス(リリエス・ローエングリン) カナタが初めての作戦で人体実験施設から救出した少女。伯爵令嬢だったが、出世に目の眩んだ父親に開発部に売られてしまった過去を持つ。カナタを気に入ったらしく、常に行動を共にしている。IQ180超の天才頭脳と大人っぽいどころか、大人そのもののメンタルを持つ博覧強記の天才少女。頭はいいが、口が悪く、さらにエロい。渾名は「悪魔の子」


※シオン(紫音・イグナチェフ) 地球でいうところのロシア、惑星テラで言えばルシアの金髪巨乳美女。将校カリキュラムの受講時にカナタと出逢った。当初はツンケンしていたが、やがてカナタに惹かれ、副長となる。義父の誇りを守る為、自らの手で殺めてしまった過去を持つ。その原因を作った仇、オリガに復讐する機会を狙っている。氷結能力を持つ彼女の渾名は「絶対零度の女」


※ナツメ(雪村ナツメ) カナタがかつて所属していた「クリスタルウィドウ」の凄腕兵士。両親を近隣住人に撲殺された過去があり、心を閉ざしていたがカナタがきっかけを作り、立ち直った。頭はいいが、戦闘時以外は何も考えず、衝動で行動する。颶風のパイロキネシスを持つ。渾名は「殺戮天使」


※リック(リッキー・ヒンクリー) 同盟軍少将を父に持つ長身長駆の怪力兵士。カナタにボロ負けして以来、"兄貴"と呼んで慕っている。超再生という特殊能力を持ち、継戦能力が極めて高い。血塗れになろうが最後には勝つ姿から「鮮血」のリックと呼ばれている。


※ビーチャム(キンバリー・ビーチャム) 辺境基地の雑用係だったが、カナタにスカウトされてアスラ部隊に入隊した。変位性戦闘細胞を仕込んだ赤毛で敵を葬り、赤毛が血で真っ赤に染まる姿から、「赤毛」のビーチャムの渾名で呼ばれる。


1話の解説


△用語▽


※陸上戦艦「ソードフィッシュ」 第11番隊の旗艦。アレス重工製の最新鋭試作戦艦である。モードチェンジシステムと、エクスカリバーと呼ばれる巨大な衝角が特徴。


※軽巡洋艦「ハンマーシャーク」 カナタが初めて与えられた船で、現在は第11番隊の別動艦。艦頭をワイドソナーとワイドキャノンに換装可能で用途に合わせた運用が可能。この艦もアレス重工製の試作艦である。


△人物▽


※ロブ(ロバート・ウォルスコット) とある事情でロードギャングに身をやつしていたが、カナタの口利きで軍務に復帰する。白兵戦から狙撃支援、偵察から工作まで何でも出来るスーパーサブ。渾名は「便利屋」


2話の解説


△人物▽


※ギャバン少尉(ロベール・ギャバン) かつてはロベール・ド・ビロンといい、大貴族の跡取り息子で性格も傲岸不遜だったが、父親に敗戦の責任を押し付けられて失脚。跡取りの地位も異母弟ピエールに奪われた。カナタの尽力で人生をやり直そうと決意し、叔父の家に養子入り、現在に至る。"こう見えても僕は~"と言いながら自慢話を始める悪癖がある。


※ギデオン ギャバン少尉の従卒。元はビロン家の庭師。ギャバン少尉を慕い付き従う悪党顔。学も教養もない事を自慢している。


3話の解説


△人物▽


※天羽ガラク 第11番隊指揮中隊「白狼衆はくろしゅう」の隊員。八熾家次席家人頭(次席家老)を務める天羽家の跡取り。素質はあるが天狗鼻。


※射場トシゾー ガラクの相棒。弓術が得意で穏やかな性格。年の離れた弟がいる。


4話の解説


△人物▽


※御堂イスカ 御堂アスラの娘でアスラ部隊の総司令。階級は准将。巨大財閥の総帥も兼任し、大層気前がいい。戦略、戦術、運営手腕に長けた女傑で、二代目「軍神」(初代はアスラ元帥)の異名を持つ。アスラ部隊に3人いる完全適合者の一人で戦闘能力も極めて高い。邪眼「鏡眼(鷹眼)」を持ち、邪眼能力を跳ね返せる。愛鷹は修羅丸。


※クランド中佐(鷲羽クランド) イスカの老僕でアスラ部隊副司令。「神兵」の異名を持つ古強者。ボーリングが大好きで、隊員からは「ボーリング爺ィ」と揶揄されている。そのアベレージは220オーバー。


5話の解説


△人物▽


※マリカさん(火隠マリカ) 部隊長になる前、カナタの上官だった同盟軍のエース。最強のアサルトニンジャで、世界最速の足と、瞬間催眠をかけられる邪眼「緋眼」を持つ。火隠忍軍頭領で、忍者主体の第1番隊「水晶の蜘蛛クリスタルウィドウ」を率いる。左目がルビーの様に赤い。ロケットおっぱいの所有者でカナタからは"乳神様"と崇拝されている。最強兵士が視野に入ってきたカナタに"女"を教えた女性でもある。渾名は「緋眼」


※シグレさん(壬生シグレ) マリカの親友。身体能力も念真強度も凡庸だが、神域の技を持ち、部隊長の座を手にした努力の人。マリカに頼まれ、カナタの剣の師となった。愛弟子カナタが自分を超えた事を嬉しく思う反面、師匠としての意地でカナタを追い越そうと修練に励んでいる。鏡水次元流の現継承者。渾名は「雷霆」


※バクラ(鬼道院バクラ) シグレの幼なじみ(シグレの表現では"腐れ縁") 寺の門前に捨てられた捨て子で、倉庫にあった馬の鞍を揺り篭に育った為にバクラと命名された。鬼道院流豪槍術の達人で、念真髪の使い手。渾名は「獅子髪」


※大師匠(壬生トキサダ) シグレの父で前鏡水次元流継承者。同盟軍剣術指南役も務める。次元流最強の剣客の名に相応しく「達人マスター」と呼ばれている。趣味は俳句、川柳で、観流斉という俳号まで持っているが、俳人としてはヘボ。


8話の解説


△人物▽


※御門ミコト 照京の前総督の娘で、日本にあたるイズルハ列島切っての名家の現当主。クーデターで母体都市を失ったが、巨大財閥「御門グループ」は健在で、その総帥を務めている。地球に逃れたカナタの祖父、天掛翔平(八熾羚厳)と龍石を使って交信しており、転生前からカナタの事を知っていた。八熾家は照京御三家の一つでもある。武勇と知略に長けたカナタを頼りにし、溺愛する貴人。カナタの姉という立場を誰にも譲る気はないらしい。人の表層意識を読める邪眼「心龍眼」を持つ。渾名は「大龍君」


※侘助(貝ノ音侘助) 八熾家眷族の中年男性。カナタに命じられてミコト姫の執事を務める。双子の弟がおり、顔もそっくり。兄、侘助は法螺貝、弟、寂助は陣太鼓が趣味。


9話の解説


△用語▽


※八熾の庄 カナタが戦功により与えられた(押し付けられた)私有領。自由都市ロックタウン市内にある独立区画。都を追放された八熾一族が集結し、コミュニティを構成している。選挙で選ばれる領民議会議員と、名家の人間が選任される賢人会議という組織がある。領民議会が法案を作成、審議し、賢人会議が可否を採決するという政治体制になっている。


△人物▽


※コムリン市長 カナタの私有領"八熾の庄"があるロックタウンの市長。世襲の市長だが、行政手腕が高く、市民からは慕われている。


※牙門アギト 旧4番隊の部隊長で、カナタの肉体のオリジナルとなった完全適合者。アスラ部隊在籍前から同盟最強と畏怖された凄腕兵士で、渾名は「氷狼」。マリカが台頭するまでは同盟のエースとして君臨していた。エースの座を奪われた事を逆恨みし、マリカの部下、ホタルをレイプした。ホタルから秘密を打ち明けられ、義憤にかられたシグレも返り討ちにしたが、イスカによって追放される。アスラ部隊を追放された後、機構軍のエース、「煉獄」のセツナが仕掛けた罠に掛かり、敗死。


※八乙女シズル 八熾家筆頭家人頭を務める女性。照京を追われた八熾一族は、散り散りになって辺境に潜伏していたが、作戦で隠れ里を訪れたカナタと出会い、お家再興の時が来たと知る。嫌がるカナタを無理矢理"お館様"と祭り上げ、着々と外堀内堀を埋めて、見事にお家再興に成功した。優秀な為政者で軍人であるのだが、思い込みが激しい。





話が進むのに合わせて(ゆっくりですが)追記をおこなっていきます。こいつはどんな奴よ、とか、この用語はなんなん?みたいなご質問があれば、感想欄のお寄せください。ここに追記するか、直接お答えします。



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