第3話認知バイアスとコールマン
今の日本、いや、世界は全ての労働はAIによって管理、生産されている。私たち人間は少なくても300年前からこの生活になった。昔の日本では労働、ブラック企業、過労、いじめ、介護など様々な要因があった。そのためか年間の自殺者数は3万人を超えていたらしいが、今の世界ではそのようなものは全てAIによって管理されている。そもそも株式会社もなくなり、学校もなくなったからだ。人間は好きなことをし、好きに毎日生きて良い暮らしになった。
それは本当に先祖の人たちのおかげである。だが、後に出てきた唯一の問題は大いなる退屈と人間の進化の停滞だった。人は知識を身につけず、経験も体験も自ら行う人間は99パーセントいなくなった。1パーセントの人間は変わり者、ストレンジャーと言われるようになった。
99パーセントの人間は毎日好きなものを食べ、好きなものを見て、好きな時間に寝て、起きる。そして好きな人間と遊ぶ。なので、好きなもの同士しか集まらないし、コミュニティも300年前よりもずっとずっとなくなったのである。
そのために、東京都の街だろうと田舎の町だろうと隣の人間のことも一生わからないほど知らなくなった。そして、親戚付き合いも減り、信頼できるものが家族の割合が増加したとテレビで言われていた。
なので、現在の世界は家族と近くの友人だけを非常に大切にし、他の人間はまるで人ではないほど興味もなく、そして、無関心だった。
人間の堕落が続いて300年。これが人類が到達した究極の領域なのだろうか?それとも違うのだろうか?そんなことを考えた学者もいた。ミスター・ポール・コールマンという学者がその人物だった。
コールマンは人類の進化が止まっていることが悲しかった。演説をし、テレビにも出演し、論文も何度も何度も提出した。ユーチューブにも投稿した。だが、彼に賛同する人間たちがストレンジャーと言われた。
コールマンは様々なやり方を試みたが、全てうまくいかず、そして彼自身も99パーセントの人間になろうとも考えた。だが、そんな中で、彼が最後にたどり着いたのが認知バイアスゲームだった。
根本的なものである。究極的に堕落したのなら究極的に壊していこうと考えたのである。コールマンは人類の滅亡を望んだのである。そして、彼の思惑通りに認知バイアスゲームは人類史上の中で一番売れたゲームだった。
そして、ゲームは今も売れている。人類の人口が明らかに減っているにも関わらずに。密かにゆっくりと着実に人類は終焉に向かっているのである。
それがミスター・ポール・コールマンが最後に作ったものである。
認知バイアスゲームができてからわずか100年足らずで人口は100億人から42億人に減少している。
認知バイアスゲーム。それは記憶をリセットしてゼロから始まるエンターテイメントゲーム。誰が家族で誰が友人で。そして誰が敵なのか?
ゲームはシンプル。それは敵1名を見つけて殺すこと。全て勝てばこの世の全ての全知全能の知識を。負ければ死を。
参加者は6名。そして、友人は1名、家族は1名。敵は1名。そして?が2名。観戦者==傍観者42億人!
そして、全知全能の知識などもらえるわけがない。殺し合いのゲーム。
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