第2話 弟子入り志願??
市内の中学校に突然襲撃をしてきたテロリスト集団。
そこへさっと現れてカッコよく決めて立ち向かうのは四天王最強のこの俺、岩井狼馬様っである。
「何嘘語ってんだ!」
「オイガキ、回想シーンにまで割り込んでチャチャ入れんじゃねぇよ!」
「うるせぇよこの変態。締まりのない顔でカッコつけてる場合じゃねーだろが!」
「俺は中々のイケメンだってーの!」
「公衆の面前で覗きするイケメンがいるかこのエロ術師!」
「なんだと命の恩人に向かって!」
「うるせぇよエローマ。アンタのせいでこっちは濡れ衣着せられたんだよっ!!」
「お前ら無視して話を進めるなっ!!」
「「うるせぇよ馬鹿!」」
テロリストにハモる2人。
「な、馬鹿だと」
「テロやる時点でアンタも十分馬鹿な悪党だわ!」
「お、言うな坊主!」
狼馬も感心する。なかなかの正義感じゃないかこの小僧。
「ふざけやがって。やっちまえ!」
テロリスト達がマシンガンを構える。
「遅いな…氷魔法」
「撃て!」
「だるま落とし!」
「えっ!?」
銃を構えていたテロリスト達の上に巨大な雪だるまが何個も落ちてきて潰した。
「な、なんだと…」
「その程度の腕でテロなんかやってんのかよ?馬鹿丸出しだっての!」
「き、貴様!」
テロリストは火炎放射器を構えて火炎放射を放つ。
「貴様らは魔法が使えるだけで俺たちを差別して仕事を奪う!そのせいで俺たちは!」
「だからってな」
「なっ!?」
火炎放射器を放った先は氷のかまくらが作られ生徒達には火傷一つなく狼馬はいつのまにか背後に居た。
「人様に迷惑かけていいわけないだろが」
「く、死ねや!」
「うっさいな…」
狼馬はかるくかわして足払いをかましてテロリストのリーダーを転ばせる。
「氷魔法 雪彫刻!」
テロリストはたちまち集まった雪に捕まり雪に埋もれていった。
雪が崩れるとそこにはテロリストが顔を出したままセクシーポーズをしている雪の彫刻の中にいた。
「なんだこりゃ!」
「顔がむさいから彫刻が台無しだな〜」
「嘘だろ…あっという間に片付けちゃった…」
あのスケベ本当に何者??
マジで最強の4人に数えられた1人なんだ。
「いや〜しかし本物のヌードはたまらんな〜」
何ごともなかった様に凛にかけていた孝の上着を脱がし柔肌を舐め回す様に見るエローマ。
て、アンタ!何やってんだ中学生によっ!!
「い、いやぁーーー!」
バチン!
「ぐおっ!」
アレ?当たった??
凛にぶっ叩かれ空いた壁の穴から外に落下する狼馬。しかも顔面から地面とキッスした。
「うわ…痛そう…」
「ぐ…こ…この突っ込みに…この技は…タマの…ガク…」
狼馬はそう言うと気絶した。
その後警察がやって来てテロリスト達が全て連行された。流石にあの騒ぎの後だから俺たちのクラス以外は皆自宅に帰された。
「なんでエローマは警察に行かないんだよ?」
「馬鹿たれっ!何で俺が行かなきゃならん!」
「痴漢行為の現行犯でだよ!」
「俺はヒーローだぞ。」
「嘘つけこのエローマ!女子中学生に手を出そうしたくせに!!」
「人聞きの悪い事抜かすな。このクソガキきゃあ!!」
「何を!しらばっくれやがって!!このエローマ!!」
2人があーだこーだ言い争いをしてると。
「狼馬くん!」
「げ…!?」
狼馬が恐る恐る振り向くと、そこには背が高くて綺麗なポニテの美人がいた。
「エローマ知り合い?」
「だからエローマじゃねぇ!!」
ゴチン
「痛って〜」
殴られた。
「中学校を殴るなっ!」
「ぐぇーーーー!!」
ポニテの美人は狼馬に蹴りをかます。狼馬はいい音で飛んでいき真冬のプールに落ちた。
「す…すげぇ…」
エローマが吹っ飛ばされた…何者だかのクール美人??
「君、大丈夫だった?」
「は、はい…」
さっきの恐怖でか声が強張る孝。
「師匠怖がらせないで下さいよ!」
「ああ、凛!」
「凛…この姉ちゃん知ってんの?」
「私の師匠の椿 環(つばきたまき)さん」
ん?椿環って…テレビでよく見るあのアイドル級の人気の魔術師の!?
「あのアイドルさん?」
「アイドルじゃないよ〜私も四天王よ!」
「ええ!!あの変態術師と同じなんすか!?」
「彼は異端かつ特別ね。四天王って言うのは世界に認められた4人の最強の称号よ!」
「せ、世界最強!?あの変態が!?」
「失礼だなオイ!!」
ボロボロの姿で震えながら戻って来た。
「変態に変態って悪いかこのエローマ!」
「だからエローマじゃねぇっての!岩井狼馬だ!」
「エローマで合ってるわよ」
「な!タマお前まで言うか!幼馴染なのに!」
「お黙りなさい。アンタときたら四天王の身分を悪用して散々覗きや下着泥棒やら如何わしい店の支払いを国家予算で使うわで大迷惑してんのよ!」
はっ!?最低だ…このおっさん…税金をこの馬鹿に使われてるとは…
「コラァ!やっぱただのスケベじゃないかっ!このエローマ!!」
「違うこれには理由がある!」
「んなもんあるか!だったら言ってみろよ!」
「それは!」
「それは?」
「肌で女性を感じる為だ!」
「💢それを痴漢行為って言うんだよっ!このエローマ。エローマ!」
やっぱロクな大人じゃねぇ。この野郎!!
「だからエローマ言うなこのガキが!」
「ガキじゃねぇ相模孝だ!」
「うっせぇガキが!」
「何だよエローマが!」
「「んぐぐぐ💢」」
レベル低い喧嘩してんじゃないわよ大人気ない。
環と凛が2人を引き剥がした。
「はいはい…もういいから…凛は彼を連れて帰ってね!」
「はーい!帰ろ孝!」
「べーだ!」
凛は孝の手を引いて帰っていった。
「いーだ!」
「アンタね大人気なさすぎよ」
「うるさい。あのガキが生意気だからよ」
「彼、相模長官の息子よ」
「げ、おっさんの息子だったのか!?」
「こらこら。でも昔の狼馬くんに似てるわね。アンタも魔術の才能なかった落ちこぼれだったし」
ヤバイなお偉いさんの息子だったのか…ていう事は…アイツが…
「アイツより酷くはないわ!アイツが長官のドラ息子か…」
話には聞いていたが…長官が家族サービスをしない理由はアレか。相模一族って言ったら江戸時代から続く魔術師の名家だからな…その跡取りが才能無しの落ちこぼれか…
「生まれつきとは言え魔法が全然使えないなんて可愛そうね」
ますます似てやがる…昔の俺に…だからついムキになっちまうんだな…俺…
「なあ、タマ」
「何よ?」
「特別師弟枠ってまだ大丈夫だよな?」
「え?今日の夕方までだけど?」
「だったら急がないとな。市役所に」
そう言うと狼馬は歩き出す。
「ちょっと特別師弟枠の申し込みって!?狼馬くん女の子以外は弟子にはとらないって無理言ってたじゃない!」
「まあ女の子のがこの俺様が教えるに値する条件だ。だが、あの能無し中々のど根性をしていてな面白い奴に化けそうだからな!」
:
季節はあっという間に過ぎた、今は春。
今日は卒業式だった。
受験…そんなもん魔術が使えないだけで何処にも入れない…まあとうに諦めてたしな。
「さてとバイトでも探しすか」
父親が来る事もなく寂しい卒業式を迎えた俺は凛になるべく会わないようにさっさと抜け出して家へ向かう。
「聞いた通りに来てみりゃ」
「ん?」
校門前に誰かいる。
「本当にボッチだな。お前!」
「げ、エローマ!」
「げって何だよ!せっかく迎えに来てやったのに」
「迎えに?何の用だよ?」
「坊主ちょっと付き合えや!」
孝は狼馬に連れられて何処かへ向かう。
「何処へ向かってんだよ?」
「直ぐにわかるさ」
狼馬に連れられて暫く歩いて電車を乗り継ぎまた暫く歩いている。
「転移術使えないのかよ?」
「専門外だ!」
嘘だ…使えないんだ。
「着いたぞ」
「ん?ええ!?ここって国立魔術高校じゃないか!!」
「それがどうした?来週からお前が通う高校だ」
「は?何馬鹿言ってんだよ?受験すらしてない上に俺は落ちこぼれだ!入れる訳ないだろ」
「それが入れるんだよ。特別師弟枠でな!」
特別師弟枠??
「なんだそれ?」
「ここは将来的には国家魔術機関に配属されるエリートが通う学校だ。しかし四天王の弟子は特別に入学を許可されるんだよ!」
「弟子?エローマに弟子なんかいたの?」
「馬鹿かお前だよ!」
「は?」
「だからお前は今日から俺の弟子だ!」
「……嫌だっーーーーーー!!」
孝は声を上げると走り去る。
「嫌とはなんだ俺は四天王だぞ!最強の魔術師だぞ!」
「最凶のパーフェクトスケベだろうが!!そんなやつの弟子なんて嫌だ!!」
ごもっとも。
「俺が女の子を弟子にせずお前を選んでやったんだぞ!」
「エローマに師事したがる女がいる訳ないだろ!!」
ムカッ💢
「ええーい大人しく現実を受け入れないか!!」
「嫌だ!俺まで変態の仲間なんて言われたくなーい!!」
「いい加減にしろよ。だるま落とし!」
「え、うわーー!」
孝の上に巨大な雪だるまが現れそのまま落ち孝を押しつぶした。
「お、重い…」
「観念したか?」
「した、したから早く退けてよ!」
「いいか坊主?」
「なんだよ!」
狼馬は孝に近づきしゃがみこむ。
「お前、強くなりたいか?」
「え?」
「強くなりたいかと聞いている!」
「…なりたいよ…ずっとそう思ってた…」
「…」
「才能ないからって誰も教えてくれなかったんだぞ…何で俺にアンタは?」
「別に大馬鹿は化けると理解してる。それだけだ」
狼馬はそう言うと雪だるまを消した。
「俺がお前を最強にの仕上げてやる。だからいつまでも駄々こねてんじゃねーぞ。この馬鹿弟子が!」
「ふん…うるせぇよ…」
でも孝は涙を流して笑った。
「よし今日からお前は俺の弟子だ!これからは師匠と呼べ!」
「嫌だよエローマ先生」
「なっ!?エローマ先生だと!?ふざけんな!」
「うるさいな先生って呼ぶだけマシだろ!」
「戯けが!せめてエローマは止めろよやこの馬鹿弟子が!」
「うっさいな!まだ何も教わってないのに何を言ってんだよエローマ先生!!」
「だからエローマ付けんな!普通に先生って呼べないのか!」
「呼べるか!よんでほしけゃ真っ当になれよ」
孝はそう言うと学校へ向かって走り出す。
「まあ折角だし、なってやるよアンタの弟子に。よろしくなエローマ先生!」
「フン、生意気な馬鹿弟子が!とことん厳しくいくからな覚悟しとけよ!」
「オウ!先生!」
桜が咲いて花吹雪が幻想的に舞う中に生まれた新たな繋がり。
ドスケベ狼と落ちこぼれ魔術見習いの奇妙な師弟関係の2人はどんな日々を送るのか、まだ誰も解らない。
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