実況:クスト 解説:クレッセ
「約一週間ぶりですね、みなさん。今回は、実況クストでお送りします」
「解説のクレッセですー。作者がリアル多忙で更新遅くて済みませんですー」
「開幕早々、第四の壁を破るのはやめてもらっていいですかね?」
「……あ、今アクセスしてくれた貴方。明日は幸運に恵まれますよー」
「適当なこと言うのやめてもらっていいですかねえ?」
「なんと、昔失くした大事なモノが見つかりますよ」
「おや、懐かしいものでも見つかるんですかね?ちなみに、具体的には何ですか?」
「夢」
「読者の方に喧嘩を売るのもやめてもらっていいですかねえ!?」
「では、本編に移りますー」
「もう既に嫌な予感しかしないんですが!」
「はっじまっりまーすー」
「はい、今回の勇者は召喚直後の様ですね。可愛らしい女性です」
「サイドポニーはいいですねー。欲を言えば、ツーテールやツインテールが好みですがー」
「クレッセさんの好みは置いておくとして。とても活発な印象を受けますね。テニスとかが似合いそうじゃないですか?」
「そうですねー。テニスボールを踏んづけてひっくり返っていそうですよねー」
「印象操作しようとするのをやめてもらっていいですかねえ?どこにもドジっ娘っぽい雰囲気なんて見当たりませんが」
「お気になさらず。私の希望ですのでー」
「解説に願望混ぜないでください!」
「適度にボケを混ぜた方がウケがいいって、トッピーが言ってたー」
「余計な事を……!」
「画面の前の皆も、淡々とした実況よりもボケとツッコミの応酬に期待していると思うんですよ」
「クレッセさん!好き放題やった挙句、責任を読者の皆様に転嫁するのはご法度です!」
「うちはこういう芸風なんで」
「芸風!?平然と嘘を吐かないでください!というかどっちにしてもダメでしょう!」
「まあ、これで反感買っても損するのは作者なんで。クスト君も力抜いていきましょー」
「もう何が何やら。ともかく、実況に戻りますよ!」
「そうですねー。これ以上、読者の没入感を損ねるのも気が引けますし」
「手遅れ!」
「しっかりと漫才していきましょう」
「クレッセさんの認識も手遅れ!?」
「そんな雑談をしている間にー、校長先生の挨拶のような恒例行事も終わったようですよー」
「国王との謁見と勇者への状況説明を、退屈なイベント扱いするのはどうかと思います!」
「主人公が転生する前の、神様等とのお決まりの会話とかも省いてますしー、今更でしょう。このシリーズならどのみち必要ないですしー」
「確かにその通りなんですがっ……!そういう言い方をすると、何の実もない娯楽小説と思われるので自重してもらっていいですかねえ!」
「事実を言って悪い法はない!!表現と言論の自由!!」
「いきなりテンション上げるのもやめてください!少しは自重して!」
「自嘲なら、作者が散々してますよー。よく自分の書いた文章読み返しては、天井仰いでますしー」
「そっちの自嘲じゃない!」
「実況を続けてください」
「急に真顔で正論を吐くのも禁止です!えーと、どうやら勇者はパーティメンバーと交流を深めるために昼食を共にするようです」
「国王が事前にメンバーを厳選していたようですねー。全員が揃いも揃って美女や美少女なあたり、男性勇者が来ると踏んでいたようですねー」
「これはやっぱり、国王の策略でしょうかね?勇者の心を国へとつなぎとめるための。それとも、英雄色を好むという格言に沿っての行動で、他意はないんでしょうか?そのあたり、どう思われますか?」
「男性読者へのサービスでしょうねー」
「また身も蓋もない事を!そもそも、他のファンタジーならともかく、この作品にそういった要素は求められていないと思います!」
「……耳を済ませてごらんなさい?」
「どうしたんですか、急に」
「聞こえるはずです」
「もしかして、怪談ですか?」
「怨嗟の声が」
「唐突にホラー要素ぶち込むのやめてもらっていいですかね!」
「貴方には聞こえるはずです。美少女キャラや肌色シーンを出せという、男性読者の心の声が……!」
「ホラーじゃなかった!そして、今回メタ要素多すぎやしませんか!?」
「神として、一度はやってみたかったんですよねー」
「ぶっちゃけないでください!そして、せっかくの企画の中でメタはやらないでください!」
「たまにはええやん?」
「キャラも崩さないでください!」
「ところでクストさん?」
「はいはい、何ですか?」
「そろそろ実況しても、ええんやで?」
「ウザい!……こほん、それはともかくとして。なんだかんだで、同性同士という気楽さもあって早くも打ち解けているようですね。もしかしたら、勇者が同性でパーティメンバーもほっとしているのかもしれませんね」
「そうですねー。並べられている料理がとても美味しそうですねー」
「話聞いてます!?」
「聞いてませんが?」
「意外に素直!?」
「特にあの丼飯!この異世界で最高クラスの鶏肉を使用し、柔らかい胸肉のみを贅沢に使用!甘辛いタレに漬けてから短時間表面を炙るという工程を三回繰り返す。これにより、香ばしい風味と香りを持つ炙り鶏が完成!」
「えっと、クレッセさん?」
「まだ終わらない!続いて、今度は別の胸肉を蒸していく!柔らかくなった肉に合わせるのは、独特の酸味を持つ柑橘系の果汁をベースにしたタレ。酸味が際立つ割に後味さっぱりなそれを、肉の表面に一枚一枚丁寧に塗っていきます」
「もしもーし」
「これら二つを、丼の上で悪魔合体!!炙りだけではくどく、蒸し鶏の方だけではパンチがない二つが同時に鎮座する事により!飽きることなく食べ進める事が可能!その病みつき加減は、まさに悪魔的!!」
「解説さーん?」
「さらに!ご飯の方にも、更なる工夫が――」
「ストップ!ストップです!」
「なんですか、今良いところなのに」
「誰が、料理の解説をしろと言いましたか!私たちはグルメレポをしてるわけではありませんよ!?」
「ちゃんと分かってますよー」
「なら、どうして唐突に料理の解説なんてしてるんですか!?」
「飯テロ」
「だ・か・ら!!読者に攻撃を仕掛けないでくださいぃ!!」
「お、おで、みんなが、よろこぶ、おもで、いっしょうけんめい、やった、なのに――」
「不器用だけど根はいい奴みたいなキャラ作らないでください!」
「誰が根っ辛の悪人じゃあっ!!舐めとんのか、ワレ、コラ、ああん!?」
「逆ギレ!?」
「ふぅ。ちょっと喋りすぎてのど渇きましたねー。お茶もらえますかー?」
「はい、ただいま!……って!何やらせるんですか!?」
「おお、ノリツッコミまで会得しているとは。さすがは神々期待の新鋭にしてツッコミキャラのクストさんですねー」
「嬉しくない評価!というか、僕ってツッコミキャラって認識されてたんですか!?」
「自分で、二話とか五話とか読み返してみるといいと思う」
「どちらも、ボケを放置していたら実況が成り立たないからですっ!!」
「吠えてないで、実況はよ」
「にゃああああああああああっ!!もう限界ですよおおおおおおおお!!もう実況なんて二度と御免ですううううううううううう!!」
「――こうして、実況も満足にできなかったヘタレは、泣きながら実況席を後にしたのでしたー。まる。」
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