実況:オドリー 解説:ネタミレ
「はじめましての方ははじめまして、それ以外の方は三話ぶりです。今回は、私オドリーが再び実況を務めさせていただきます。解説として、今回はネタミレさんにお越しいただいております」
「おっす、おらネタミレ、よろしくな!」
「今回は、単独で魔王配下の四天王の拠点へと挑もうとする、果敢な男勇者の模様をお送りいたします」
「ゆけっ、勇者!生きて未来を切り拓け!!」
「まずは、門番の魔物達と交戦していますね。勇者は、敵の武器を武器で捌き……おっと、空いている左手でボディーブローを決めました!」
「抉りこむように打つべし!打つべし!」
「そして、相手が怯んだところを一閃。流れるような一連の動作でした!」
「激流を制するは静水」
「しかし、敵襲に気付いて大勢の魔物が門から出てきましたね。これは、早速のピンチですかね?」
「敵が優勢なこの状況、返ってつけ込む隙が生まれないかな」
「おっと、ここで勇者が魔術を唱え始めました!」
「ARCUS、駆動」
「そして放つのは、広範囲の炎魔術!」
「汚物は消毒だぁーっ!!ヒャッハーっ!!」
「高温の炎に呑まれ、魔物の群れが次々と灰になっていきます!」
「最高に
「あっという間に、戦場は塵と灰のみになりました。恐るべき威力です!」
「塵は塵に。灰は……灰にぃっ!」
「おや?ここで、後ろで観戦していた大型の魔物が動き出しましたね、指揮官でしょうか?仲間が一瞬で倒されたにも拘らず、落ち着いていますね」
「こういう時、慌てた方が負けなのよね!」
「いや、指揮官らしい魔物を追い抜いて、小柄な魔物が出てきましたね。どうやら、指揮官に何かを訴えているようですが?」
「
「それに応えて、指揮官が何か言っていますね」
「舐めるなバケモノ!!私は命令を下したぞ!サーチアンドデストロイ、サーチアンドデストロイだ!!」
「魔物の言葉もわかるんですね。さすが、ニホンのサブカルチャーにどっぷり漬かっているだけありますね!」
「何でもは知らないわ。知ってる事だけ」
「さて、その小柄な魔物が勇者に向かっていきましたが……?は、速い!目にもとまらぬ速さです!フットワークを駆使して翻弄する作戦のようです!」
「俺には、この脚があるんだ……!」
「いや!?しかし、勇者はあっけなくその魔物の位置を掴み、蹴り飛ばしてみせた!!」
「見えるかどうかは知らねえが……こいつ、どうやら俺の位置がわかるらしい!」
「再び魔物が俊足を見せるが、またもなんなく蹴り飛ばされています。力の差は歴然か!?」
「……俺が遅い!?俺がスロウリィ!?」
「そして勇者、とどめの炎魔術!俊足自慢を、逆に瞬殺だぁ!」
「トカゲのしっぽ!!」
「おや、傍観に徹していた指揮官が腰を上げました!」
「こいつ、動くぞ!?」
「金棒を手に、自分の半分程度の背丈の勇者に対峙します!」
「エスカリボールグー」
「勇者が聖剣を振り下ろすが、これを棍棒で悠々とガード!」
「踏み込みが足りんぞ!!」
「しかし、勇者もそれだけでは終わらない!聖剣で連撃を繰り出していく!!」
「斬刑に処す。その六銭、無用と思え!」
「指揮官魔物は、防戦一方だ!」
「守ったら負ける!攻めろ!!」
「おっとここで、聖剣が魔物の左腕を切断した!勇者、圧倒的に有利か!?」
「お前……命より大事な左腕を……!」
「しかし、ここで指揮官魔物が反撃に移る!」
「連打が止まった……!?今がチャンスだ!!」
「棍棒を振り下ろすが、勇者はそれを聖剣で受けてみせた!!体格に大きく差があるのに、それを苦も無く受け止めた!腕力でも勇者が勝っている!!」
「オレの腕は壊すだけのもの。だがおまえの腕は、人を護る為の剛力だ。……優劣を比べるというのなら、初めからオレは負けているさ」
「さらに勇者、右腕をも切断した!」
「へへーん、たーしかにいただいたぜぇ?」
「しかし指揮官魔物、あきらめない!ここで頭突きを仕掛けた!」
「ず、頭突きぃ!?なんと、柔術で頭突きだぁ!!」
「しかし勇者、それを聖剣で頭から真っ二つ!斬って捨てました」
「またつまらぬモノを斬ってしまった」
「さあ、いよいよ四天王との対決です!」
「してんのうの カンナが しょうぶをしかけてきた!」
「見た目は猫の亜人といったところでしょうか。こちらも、速度に自信がありそうです」
「三丁目のタマ知りませんか?」
「対する勇者、とても自然体です」
「大丈夫。今、とても普通なの」
「さて、どちらから仕掛けるのか……。お!何のきっかけもなく亜人が仕掛けた!!」
「間抜けすぎるぜ、エル!」
「勇者は突っ込んできた亜人にカウンターを合わせた!顔面に拳が突き刺さっています!」
「あれこそ、ジョルトのカウンター!!」
「しかし、亜人は怯まない!爪による連続攻撃を仕掛けていく!」
「あじんの みだれひっかき!」
「勇者、これらをあっさりと躱している!」
「しかし あじんのこうげきは はずれた!」
「おっと、今度は爪で切り裂くのではなく、掌底による攻撃に切り替えた!こちらも早い!!」
「狼牙風風拳!!」
「掠った!勇者の頬から鮮血が流れる!」
「戦士の……勲章だな」
「しかし勇者も反撃に出た!聖剣と拳の打ち合いだ!!」
「無駄無駄無駄無駄ぁ!!」
「聖剣では取り回しに難があるのか、勇者の斬り傷が増えていく!勇者に打開策はあるのか!逆転劇に期待しましょう!」
「ただしその頃には、あんたは八つ裂きになっているだろうけどな」
「おっと、勇者がここで聖剣を捨てたぁ!!ステゴロで戦うつもりなのかぁ!?」
「素手ェ素手ェとうるせえんだよ。もとより喧嘩ってのは、素手でやるもんだろうがよ!」
「今度は拳の応酬!!速度は互角!!そして、勇者の拳には炎が宿っています!!」
「邪王炎殺煉獄焦!!」
「さあ、亜人側、それでも打ち合うのを止めません!」
「こんな燃えるバトルは初めてだ!とことん突っ走るぜぇ!どこまで付いてこられる!?」
「ここで、勇者の右ストレートがヒット!亜人の表情が初めて歪んだ!!」
「衝撃の、ファーストブリットぉ!!」
「しかし、亜人側も逆に掌底を勇者の鳩尾へと叩き込んだぁ!」
「くそったれ!六番と七番持ってかれた!!」
「それでも両者、一歩も引かない!!凄まじい殴り合いだ!」
「そうだ、それでいいスネーク。戦いの基本は格闘だ!」
「勇者は亜人の顔を集中的に狙っていますね。目のあたりがどんどん腫れていきます」
「モニターが、死ぬ!?なにぃっ!?」
「おっと、亜人がたまらず距離を取った!そして、自らの体に硬化魔法をかけたようです!」
「パンツァー!!」
「そしてまたも打ち合い!しかし勇者側、一撃加えるごとに顔を歪ませている!」
「いててだよぉ~」
「どうやら、硬化魔術が思ったよりも強力な様子だ!勇者はどう出る!?」
「へぇ……いいなぁ、それ!」
「なんと、勇者も自分に硬化魔術をかけた!!」
「ものマネ幻想師を召喚!!」
「さあ、しばし殴り合ったところで、両者距離を取った!!」
「心地よい痛みというべきか……」
「亜人の方は力を溜めている様子。勇者は、それを見て聖剣を拾い上げた!」
「次だ、次で決まる!!」
「おおっと!!亜人が光のエネルギー派を拳から放ったぁ!!」
「ディバイン……バスター!!」
「勇者は、聖剣から同じような光のエネルギーを放って対抗!!」
「エクス……カリバー!!」
「光と光のぶつかり合いだぁ!!」
「もっとだ!もっと輝けえええええええ!!」
「勇者の光が徐々に押している!!……そして、亜人側!堪え切れず吹き飛ばされたぁ!!」
「光になれえええええええええええええ!!」
「閃光が止んだそこには、屹立する勇者と倒れ伏す亜人の姿があります。亜人の方は虫の息ながら生きているようですね」
「あの時、ギリギリで急所を外したな?」
「亜人が最後の力で語りかけているようです」
「どうやらその目は、節穴じゃないらしいな」
「勇者も言葉を返しているようです」
「わたしこそが しんのゆうしゃだ!」
「亜人が最後に言葉を残しているようです」
「姫様。貴方のために死ぬことをお許しください……」
「そして勇者が頷き、今、聖剣で胸を突き刺しました」
「心の蔵、止めてくれる!!」
「勇者は無言で亜人を見つめています。どこか、切なさを感じさせる後ろ姿です」
「愛しさと、切なさと、心強さと……」
「感傷的な場面に立ち合えたところで、今回の実況はここまで!」
「来週も、また見てギアス!」
「皆様さよーならー」
「PKサヨナラだ!」
「いくつ、わかりましたか?」
「急にどうしたんですか?ネタミレさん?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます