どう考えてもディストピアだが、彼らはそこで恋をする。

※作品は絶対評価したいので、星の数は適当です。
※12話まで読んだ感想です。

個人的に、少子化というものにあまり興味はないです。「今は減ってもそのうちまた増えるだろう」と(何の根拠もなく)思ってるし、日本は減ってるけど、世界的には増えてるんだから大丈夫だろうという、こちらも根拠のない楽観があります。

ですが、政府が「少子化が問題なのは若者の生殖能力とコミュニケーション能力の低下が原因だから、幼少期から高校卒業までのタームごとに『オフィシャル恋人』と共に過ごす」などと言い出し、また、『富国強精恋人斡旋法』などという法律が国会を通過したら「この国は終わりだ」と思うことでしょう。

明らかに頭のおかしな体制や状況が、作品世界で素通しになっている。これはまさにディストピア小説です。いや、そんなにそれ系のSFを読んでいるわけではないので適当こいてます。でもきっとそうです。

オフィシャル恋人とねんごろな仲になれなかった者やハラスメントを侵した者は更生施設と書いてアビスと読む降りたら二度と上がって来れなさそうな場所に行く。さらに、同性愛者やその他性的少数者は特別生活区と書いてユートピアに送られるなんてエスプリの効きまくった漆黒の闇みたいな設定もあります。

もはやこれはラブコメのレビューなのか判然としなくなってきましたが、今読んでいる話数で、なんと主人公たちが体制への反逆を企てます。そんなに大袈裟な話ではないと思いますが、すっかり先が気になり続けています。